プロギア LS ドライバーを万振りマンが試打「深重心化してより高さ重視に」
HS40m/s前後対象ドライバー HS50m/s台のYouTuber評価は！？
ヘッドスピード（以下HS）40m/s前後でも、女子プロ並みのビッグキャリーとロングランを実現できるプロギア「LS ドライバー」。初代2021年モデルのコンセプトを受け継ぎ、同社史上最強の深低重心ヘッドという今作は、HSがそれほど速くなくてもボールを上げやすく、つかまりやすい低スピンショットが可能と評判だ。そんなLaunch（高さ）とSpin（スピン量）に着目したモデルを、HSの異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンの評価は！
「初速は申し分なし 50m/sパワーヒッターも扱える！？」
―率直な印象は？
「HS40m/s前後のゴルファー対象モデルを私が試すのは見当違いなのは承知の上ですが、思っていたより意図していた高弾道のドローボールが出てくれました。もう少しスピン量を抑える調整ができれば、飛距離も伸びる気がします（平均294.4yd）。試打クラブのロフト角は10.5度（市販は10.5と11.5度）でしたが、それでも初速は出ていたので（73.4m/s）、間違いなくロースピンモデルといえる性能だと思います」
―スピンは多め？
「スピン量はそれほど多くなかったですが（平均2588rpm）、初速が出ている分、途中で上がりすぎてしまう感じはありました。追い風に乗ればもっと伸びてくれるとは思いますが、途中で失速してしまう傾向があるのは否めません。ただ、高弾道で低スピンという、まさにLaunch & Spinな性能はピカイチ。キャリーを伸ばすことを第一に考えれば、申し分ない飛距離性能といえます」
―純正シャフト（SPEEDER NX FOR PRGR）の評価は？
「シャフトはクセが少なく、軽量ヘッドの長所を生かすために、振り心地の良さを引き出してくれる特性に仕上がっています。適度なしなり量で違和感なく振り切れる。どんなスイングタイプでも、パワーのある人でも非力な人でも合わせやすいマッチングとなっています。どこかが印象的に動くということはなく、適度に全体が大きくしなり、ヘッドが走るスピード感をプラスしてくれる特性です」
―前作（2021年）と比べると？
「基本的なコンセプトは同じで、対象ターゲットは変わっていません。構えて上から見ると、今作のほうが若干後方が長めで、ディープフェース（上下の厚みがある形状）っぽい印象。重心がより深くなっている感じはしますが、2モデルを並べてじっくり観察しないと分からないレベル。実際に試打をしてみて、重心が深いことによる球の高さの出しやすさが考慮されていることを知ったうえで改めて両者を見比べて、ようやく違いに納得できるでしょう」
―前作の評価では「HSが速い人でもマッチする」とおっしゃっていましたが？
「安定した球筋ですが、スピンを減らすためのカチャカチャ機能や、可変ウエートが付いていないため、現実的に使用するには厳しいという印象は残ります。あとはリシャフトでの調整しかなく、パワーヒッターが満足いくようなスピン量を減らす仕様にはなっていません。、あえて選ぶ要素が見当たらないというのが本音です。ですが、前作と同じくクラブとしてのバランスは良好で、振り心地は抜群なので、HS40m/s前後だけではなく45m/sまでであればしっかりと活躍してくれるでしょう」
―どのような人向き？
「再現性の高さを一番の魅力とするならば、スコア直結の即戦力になってくれるので、月に1、2度のみラウンドを行うエンジョイゴルファーに最適。ヘッドが割れる心配をしない前提であれば、私のように腕力で振り回すパワフルゴルファーでも、スコアをまとめる武器として選択肢に入ります。ただ、今よりもっと遠くへ飛ばしたい、ボール初速のスピード感を上ではなく前に持っていくために使いたいという人には、他のモデルに可能性を求めるほうが得策でしょう」
飛びより安定感を求めるなら◎【総合評価4.3点】
【飛距離】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5
・ロフト角：10.5度
・使用シャフト：SPEEDER NX FOR PRGR（硬さS/M-43）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 万振りマン プロフィール
登録者2万人超えのフルスイング系YouTuber。2017年よりYouTubeにて「-Mr.FULLSWING MEN-万振りマン」チャンネルを開設し、数多くの試打動画をアップ。豪快なフルスイングが話題を呼び、人気に火がつく。日本プロドラコン協会(JPDA)B級プロライセンスを取得。