クラブ試打 三者三様

APEX PRO アイアンを西川みさとが試打「『PRO』と付くほど難しくない」

2023/11/28 20:00

操作性がアップしたプロ仕様モデル HS40m/s未満の女子プロ評価は!?

中空構造を生かした程よい飛びと、ツアープロがほれ込む操作性が特徴のキャロウェイ「APEX PRO アイアン」。前作2021年モデルから中空ヘッドを採用し、今作でも構造は継承しながら、フォルムをよりコンパクトに。オフセットも小さくすることで、コントロール性に磨きをかけたという。そんな進化を続ける人気中空アイアンを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「やさしすぎず難しすぎない 中空と軟鉄の中間的モデル」

いつものように狙い通りの弾道で中央にまとまった様子

―率直な印象は?
「基本的にはやさしい性能とは言えないですが、それほど難しすぎるわけでもありません。HSの遅い私(1Wで35~36m/s)には少しハードで、備わっている飛距離性能を十分に引き出すことができませんでしたが、見た目はシンプルで構えやすく、全く扱えない完全プロ仕様という感じではなさそう。見た目も打感もすごく良いけれど、飛距離が思っているよりも行っていない点で、私のスイングスピードとパワーでいえば、あえて選ぶ必要はありませんが、使ってみたいなと思わせる打感と形状を備えています」

小ぶりではあるものの薄肉で極小なサイズ感でもない

―見た目のどこが構えやすい?
「オーソドックスな普遍性があり、美しい顔立ちが好印象に映ります。小さい部類には入りますが、高評価だった同時期発売のテーラーメイド『P790 アイアン』をひと回り小さくした感じ。では同シリーズの小ぶりな『P770 アイアン』と同じかといわれると、そこまでは小さく見えない。『P』シリーズ2モデルの中間であり、大きくは見えないけれど小さくも見えない適度なサイズ感。少しの安心感を抱きつつ高い操作性を感じることができる非常に構えやすいアイアンです」

左が23年、右が21年モデル。バックフェースにタングステンプレートを新搭載

―前作(2021年モデル)と比べると?
「形状はほぼ同じでしたが、一番の違いは打感です。今作のほうが少し弾きが強く、ボール初速のスピード感が速まった印象を受けます。前作のほうはグッとフェース面にボールが食いつく感じが強く、ヘッドがボール下に鋭く潜っていく感覚が残ります。今作は前作と比べて入射角がマイルドになり、打ち込むよりもソールを滑らせていく感覚があり、理想の弾道を生むことができそう。ポーンッと弾く感覚が好きな人は今作、上から打ち込んでボールを押したい人は前作を選ぶべきかと思います」

左から「PRO」「CB」「MB」。ロフト角は7IでPROのみ33度、他2つは34度

―同シリーズ「CB」と「MB」の印象は?
「『PRO』よりヘッドがひと回り小さく、ボールをシビアに狙っていかないとミートしてくれないキャビティバック『CB』が、3機種の中で一番難しく感じられました。もちろんマッスルバック『MB』も小さいですが、まだ割り切って鋭くボールにコンタクトできるほうが、私には扱いやすい。共通している点は、どちらもアイアンらしいアイアンという点。20~30年前のひと昔前のアイアンを使っているような元来アイアンが持つべき要素を忠実に継承しているような印象を受けます」

ロフトの大小によってAI FLASH フェースカップとプレートを使い分けている

―「PRO」の(他社でいうと)類似モデルは?
「どちらかといえば中空アイアンのジャンルではなく、軟鉄鍛造フォージドアイアンに近い性能に感じられます。具体的には、ミズノ『ミズノプロ 241 アイアン』よりやさしく、テーラーメイド『P790』とタイトリスト『T100 アイアン』の間に位置するような雰囲気。分かりにくいですね…(笑)。一枚岩の軟鉄鍛造と比べるとより弾き感がありつつ、やさしく飛ばせるけれど、複合素材の中空モデルの中では少しシビア。微小な違いではありますが、この辺りに他社モデルの多くが集中していることを考えると、より細かなジャンル分けは購入時のヒントとして必要になってくると思います」

「ハードモデルだから私には… と思っている人ほど意外性に驚くかも」と西川

―「PRO」はどのような人向き?
「今作『APEX PRO』は、『APEX』シリーズの派生モデルとして数量限定で発売されたシリーズです。そう考えると、練習量の多い中上級者向けで、競技ゴルファーも対象に入ると思われます。ですが、『PRO』と名の付くアイアンの中では構えやすく、そこまでハードルは高くありません。ブンブン振り回せるゴルファーではないと使ってはいけないレベルではないものの、月イチゴルファーはちょっと… といった感じ。この微妙な立ち位置、伝わりますでしょうか?」

西川には少しハードか 飛距離3.5△【総合評価3.9点】

【飛距離】3.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:32度(7I)
・使用シャフト:NSプロ モーダス3 105(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。1998年「日本女子学生選手権」にて優勝し、大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場。2002年にプロテスト合格後は、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで活躍。23年国内女子シニア「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ」優勝。

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