ゼクシオ 13 アイアンを西川みさとが試打「UT感覚の安心感は絶大」
王道を継承する13代目アイアン HS40m/s未満の女子プロ評価は!?
今月9日に発売された13代目「ゼクシオ」シリーズ。ドライバー同様に芯で打つ快感を全てのゴルファーに提供するべく開発された「ゼクシオ 13 アイアン」は、チタンフェースの4ピース複合構造による徹底した低重心設計で、高初速エリアを拡大したという。そんな王道を継承する13代目モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「変化は1Wほどではないけれど アイアン下手には強い味方に」
―率直な印象は?
「もうとにかくやさしいアイアンです。ボールも上げやすく、つかまりやすい。ミスヒットに対する寛容性は十分備わっている。純正カーボンシャフト(ゼクシオ MP1300)の軽さも相まって、軽快で振りやすい。どこを取っても難しいと思える部分は見当たりません。また、見た目は構えたときからそのやさしさが伝わるほど、性能を外観で表現しています。打つ前に不安は全く起きない。とにかく安心感が抜群の仕上がりです」
―具体的に見た目の安心感とは?
「フェース面も全体もこれほど大きなサイズ感であれば、ポンッと地面に置いた瞬間から、ボールのつかまり具合がイメージできます。アイアンが苦手な人にとって、このような安心感があるだけですごくリラックスでき、気持ちよく振り切れる気がします。ストレートネックで小ぶりなサイズが好みの私には、やや強めのグースや、操作しにくいサイズ感が気になるところですが、ミスに対する寛容性やボールのつかまりを重視する人には、安心感がプレーにプラスに働くと思います」
―前作と比べると?
「ドライバーは打感や打音など大きな変化を感じたのですが、アイアンに関しては正直、そこまで大きな違いは感じなかったです。バックフェースの形状を見れば違いは分かりますが、打っている感じではそこまで大きく変わっていません。打音も変わらずに、弾きの強いイメージが湧く甲高さは継続。ただ、同シリーズは基本的に飛距離や寛容性がメインのセールスポイントのため、打感や打音の微小な違和感は気にしないというのが、ユーザーの本音だと思います」
―元々「ゼクシオ アイアン」シリーズに対してどんな印象?
「元々アイアンというよりは、ユーティリティ(以下UT)型アイアンに近い性能に感じていました。ボールを高く上げてグリーンで止めるものとは違い、しっかり飛距離を稼ぐモデル。ボールをつかまえて、なるべく遠くへ飛ばしたい人向けというコンセプトは、今作も継続しています。そのうえで、強みとなる安心感も健在。フェースのどこで当たっても飛んでいく寛容さは、やはり『ゼクシオ』アイアンの最大の魅力だと思います」
―純正カーボンとスチールシャフトの選び方は?
「大半の方が、HSが遅い=スチールよりカーボン向きという考えだと思うのですが、私のお勧めは軽量スチール。同じ重さであれば、スチールのほうがシャフトのしなり量が大きく、ボールを楽に上げてくれます。カーボンは軽量でも何層かで巻かれて作られているため、単層のスチールよりシッカリ感が勝ってしまう。以前は私もHSが遅いからカーボンと決めつけていたのですが、遅いからこそスチールのしなりでボールを上げるべきと考え方が変わりました。純正スチール(NSプロ 850GH DST for XXIO)は80g台なので、私と同じHSの人は60~70g台のカスタムモデルがお勧めです」
―どのような人向き?
「アイアンをやさしく打ちたい人向き。ボールを止めるというより、飛距離重視で、ある程度弾道が低くても前に前に飛ばしたい人がターゲットではないでしょうか。アイアンに苦手意識を抱いている人こそ、ソール幅が広く、大型で安心感が抱けるやさしさの代表格と呼べる『ゼクシオ』を、まずは使って試していただきたい。特に、ダフリやトップといったミスでスコアを崩している人に、ソールの滑りを生かした打ち方で、ボールを拾う感覚を学んでほしいと思います」
納得のやさしさ 飛距離&寛容性4.5【総合評価4.2点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:28度(7I)
・使用シャフト:ゼクシオ MP1300(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。1998年「日本女子学生選手権」にて優勝し、大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場。2002年にプロテスト合格後は、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで活躍。23年国内女子シニア「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ」優勝。