クラブ試打 三者三様

パラダイム Ai スモーク ◆◆◆ フェアウェイウッドを稲場智洋が試打「当たった感触と弾道が一致」

2024/04/20 20:00

1W同様に曲がらないFW 大谷似な豪快スイングコーチの評価は!?

25万人分のスイングデータを活用して生まれたAiスマートフェースを搭載するキャロウェイ「パラダイム Ai スモーク」シリーズ。ミスヒットに対する強さはドライバーのみならず、フェアウェイウッド(以下FW)も同様だという。そんな同社自慢の曲がらないFWを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。顔は“控えめな大谷翔平”&スイングは豪快(HS50m/s)なゴルフテックコーチ・稲場智洋(いなば・ともひろ)がツアーモデル「パラダイム Ai スモーク ◆◆◆ FW」の試打評価を行った。

「『◆◆◆』のイメージを払しょくする幅広いゴルファー向け」

つかまり過ぎず強いドロー弾道で飛ばせていた

―率直な印象は?
「全体的に寛容性と操作性のバランスがかなり取れていて、非常に高い評価になりました(総合評価5点中4.7点)。ヘッドは比較的小ぶりではありますが、それほど小さ過ぎてシビアなイメージはなく、『―◆◆◆』でも安心感が持てるサイズ感。同社セレクトストア限定モデルではありますが、他社のツアー系FWと比べると幅広いゴルファーが扱える性能になっている気がします」

プロや上級者向けのセレクトストア限定モデル

―Aiスマートフェースの効果は感じた?
「ドライバーと同様、FWでもミスヒットに対する強さは健在でした。寛容性の高さは『―◆◆◆』だけに限らず、同シリーズ全機種に共通していると思います。何球かトウ側に当たったショットもあったのですが、大きく飛距離が落ちることなく、程よいドロー回転でセンターに戻ってくれる。フェース下部に当たっても、しっかりランが出て距離が落ちない。打音は甲高くはないですが、弾き感は強く、飛距離ロスが起きない印象を受けます。これがAiスマートフェースの効果なのかは断言できませんが、自分が振って当たった感触と、飛んでいく弾道がちゃんと一致してくれました。これこそが“打感がいい”という証拠なのかもしれません」

小ぶりではあるものの程よいシャロ―形状でやさしさを感じる

―同時期発売テーラーメイド「Qi10」シリーズと比べると?
「『Qi10』と比べると、同シリーズのほうが極端さがなく、扱いやすく感じられます。『―MAX』『―MAX D』もヘッドサイズは大きめですが、ギュッと詰まっている感覚で、見た目ではそれほど違和感はありません。また共通するプラス要素は、シャフトとのバランスでヘッドが効いている感覚があり、FWですが上から叩いていけるイメージが持てたところ。私は上から叩く傾向があるので、ヘッドをぶつけにいっても、上がり過ぎることなく球をつかまえてくれる点は大変助かりました」

上段:左から「MAX」「MAX D」「◆◆◆」、下段:それぞれ純正シャフト

―同シリーズで選ぶとしたら「―◆◆◆」?
「そうですね。程よくスピンが入ってくれて、寛容性も高かったので、ドライバーと同様に『―◆◆◆』になると思います。ヘッド重量が予想以上にあるのか、バランスのせいなのか、すごいヘッドが走る印象がありました。そのあたりはシャフトを入れ替えれば解消されると思うのですが、フェードヒッター向けのバイアスがかかっているため、つかまりすぎずに強弾道を打ちたい私にとっては、今作が一番理想に近いといえます」

フェース中央のやや狭い範囲で効果的な作動をする設計に

―マイクラブ(G425 LST FW)と比べると?
「マイクラブより今作のほうが飛距離性能は高いと思います。たぶんピンのほうが寛容性を求めていることもあり、スピンが多めに入るからです。『―◆◆◆』はもちろん、他の兄弟モデルも今シリーズのほうが全体的にスピン量は抑えめで、球質は強い。距離が出る仕様に仕上がっています。プラス10ydほど違うでしょうか。それでいて以前の低スピンモデルのハードなイメージはなく、すごく扱いやすいFW。やさしさはピン『G』シリーズと同等、球の強さはそれ以上とメリットばかりが目に付きました」

「『Qi10 ツアー』より吹け上がらず強い球が出た」(稲場)

―どのような人向き?
「テーラーメイドのツアー系『Qi10 ツアー FW』と比べると明確に分かるのですが、かなり幅広い層向けに作られた上位モデル。ヘッド後方が邪魔に感じることなく、しっかり操作性を発揮しながら、構えたときの安心感が持てます。中上級者だけではなく、アベレージゴルファーの中でも『『―MAX』よりフィットする』という声が多く出るのではないでしょうか。シャフトの重量帯(純正シャフト:TENSEI 60 for Callaway/硬さSで64g)を考えると、ある程度HSは必要だとは思いますが、以前の『◆◆◆』のイメージだけで敬遠するのは少しもったいない気はしました」

全項目4.5以上 筒に続きハイスコア【総合評価4.7点】

【飛距離】4.5
【打 感】5.0
【寛容性】4.5
【操作性】5.0
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:TENSEI 60 for Callaway(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 稲場智洋(いなば・ともひろ) プロフィール

1992年5月2日生まれ、栃木県出身。ゴルフショップをしていた祖父の影響でゴルフに触れ、大学時代から本格始動。一度は食品会社に就職するものの、独学でゴルフを勉強し、レッスン業界に。自身もゴルフテックの理論を用いて上達を実感した一人であり、自身の経験を踏まえながらサポートしていく。ゴルフテック恵比寿店勤務。

キャロウェイ
低スピンで鋭い弾道へ ハードヒットタイプのプレーヤーに
発売日:2024/02/02 参考価格: 60,500円