クラブ試打 三者三様

オノフ ドライバー AKAを西川みさとが試打「全てがちょうどいい」

2024/04/30 20:25

スライド式ウエートを加えた新AKA HS40m/s未満の女子プロ評価は!?

フェースのどこに当たっても真っすぐ飛ばせる“全芯主義”を掲げるオノフ「AKA」シリーズ。最新作となる2024年モデル「オノフ ドライバー AKA」は、ソール後方ヒール側にスライド式ウエートを新たに配し、重心の距離と深度を変えることができる。そんな調整機能を加えた新AKAを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「ちょうどいいルックス 類似モデルはゼクシオ→スリクソン!?」

かなり打ち出し角の高い(平均16.6度)弾道に

―率直な印象は?
「同シリーズは以前から構えやすく、見た目から高評価なモデルが続いていました。今作も例に漏れず、ややフラットに見える独特な設計が継続され、構えやすさを発揮しています。ヘッドの大きさも全体の形状も、細かなデザインも、全てがちょうどよく見受けられる。いろいろなことを考えなくても、スッと違和感なく構えられる魅力が備わっています。とにかく改めて評価が高いことを認識できるルックスです」

ヒール側には固定ウエイトの他にスライド式も追加

―クラウンがマット加工に変わりましたが?
「前作のツヤのあるグロス仕上げも好きでしたが、マットのほうが締まって見える分、フラット具合が少し増したように見受けられます(標準設定でライ角は同じ61度)。ただ、多少のイメージの差はあるにせよ、両モデルとも構えやすいことは確か。それ以前のモデルではサイズ感が大きく、やさしさを前面に打ち出した形状でしたが、ここ最近のモデルでは同社のプロ・上級者向け『KURO』シリーズに近づいている印象。やさしすぎて頼りなく見えていた過去の『AKA』と、実際につかまらず段々ハードに見えてくる『KURO』の中間的存在。とても適度でちょうどいい印象を受けます」

構えやすい形状を維持しつつ マット加工にチェンジ

―実際打ってみた感想は?
「見た目のちょうどよさも手伝い、前作よりつかまり感もちょうどよかったです。後方のスライドウエートによって、調整の自由度も増したことで、つかまり具合が物足りなくなる事態は決して起こらない。実際に標準設定で打ってみても、打感の心地よさが以前に増して実感できるので、このまま動かさずに使用しても全く問題なし。『カーボンフェース』に代表される(打音の)音量抑えめのモデルが主流になっている今、オノフは打音が大きいまま、ボールに当たった感触が目だけでなく耳からも実感できる。これくらい分かりやすい打感のほうが(ボールが)飛ぶイメージが持てるので、私は好きです」

常に同じスピン性能を発揮する独自のフェースミーリング

―他社でいうと類似モデルは?
「以前の同ブランドは、ダンロップ『ゼクシオ』を意識している感じが強かった記憶があるのですが、今作を改めて見直すと『ゼクシオ』ではなく『スリクソン』に似ている気がしました。『ゼクシオ』ほどやさしさをアピールしているわけではなく、『見た目はややアスリート向き&打つとやさしいタイプ』に舵を切っている。もちろん細部はそれぞれ個性的で似ても似つきませんが、強いて挙げるなら、やさしさと飛距離を両立した国産ブランド『スリクソン』に似た雰囲気を感じます」

重さ:52g、総重量:301g,トルク:4.9、バランス:D0.5、先中調子(※硬さSの場合)

―同社の純正シャフトはいつも定評がありますが?
「そうですね。釣り具用品も手がけている同社だけに、カーボンシャフトの性能の高さにはいつも驚かされます。今作も歴代モデルと同じく、軽快に振りやすいうえにビヨンビヨンとしなり過ぎて勝手に走る風でもない。芯の硬さを感じ取れる、程よい強さを備えています。もう少ししなり量を増やしたい場合は、普段使用している硬さ(フレックス)を1段階下げても支障はないでしょう。私には今回使用したSRが適正と思いますが、HSが若干遅くなる冬の時期はRでも良いかもしれません」

「サイズ感もつかまり具合も 私にとって適度でちょうどいい」(西川)

―どのような人向き?
「性別やパワーの有無、スコアレベルにかかわらず、まずまずクラブを振り切れる人ならターゲットに当てはまると思います。基本的にやさしいヘッドではありますが、そこまでやさしさに振り切っているわけではなく、ある程度しっかり振れる人にマッチする。『―MAX FAST』『―LITE』といった軽量モデルとはまた違うカテゴリーの振りやすさが特徴のドライバー。対象HSは40~45m/s、幅広いゴルファー向けといえます」

構えやすさも振りやすさもAKAの好印象を継続【総合評価4.5点】

【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:SMOOTH KICK MP-524D(硬さSR)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。1998年「日本女子学生選手権」にて優勝し、大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場。2002年にプロテスト合格後は、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで活躍。23年国内女子シニア「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ」優勝。

グローブライド
オノフAKA史上最大飛距離と寛容性を実現した全芯ヘッド
発売日:2024/03/09 参考価格: 102,300円