プロギア 04 アイアンを西川みさとが試打「飛びすぎない飛び系」
プロギアIRONSで最もやさしい軟鉄鍛造 HS40m/s未満の女子プロ評価は!?
プロギアIRONS史上最もやさしい軟鉄鍛造アイアンとして9月に発売する「04 アイアン」。優れた操作性をイメージさせる精悍さを保ちつつ、適度なグースとセミラージサイズのヘッドで飛距離とやさしさを両立した新設計アイアンとなっている。そんな同社自信作を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「やさしさを味わえる性能 安心感と操作性を感じる見た目◎」
―率直な印象は?
「使用した純正シャフト(スペックスチールIII Ver.2、硬さS/M-43)が振り抜きやすく、タイミングがとても取りやすいので、打ちやすさを感じます。ヘッドの大きさやソール幅の広さが視覚的に安心感を覚え、ミスヒットに対する寛容性の高さも相まって、非常にやさしいアイアンとしての機能が備わっていると感じます」
―見た目の評価は?
「ソールの厚さが気にならないというか、ボテッとした厚みが邪魔に感じることがなく、クセのないオーソドックスなシルエットに見受けられます。同社の特徴でもあるソールの厚さが上から見えない構造で、きれいな顔立ち。全体のフォルムも大きすぎず小さすぎず、程よく構えやすい。安心感と操作性をどちらも感じられる絶妙なラインで作られたヘッドに仕上がっています」
―他の兄弟モデル(4機種)と比べると?
「5モデルの中では『01』のヘッドサイズが小さく、トップブレードは薄めで、ダントツに難しく感じられます。『02』『03』『04』がほぼ同等レベルで、『05』がそれに比べると少しやさしいという区分け。打感はそれぞれ違いがあり、『02』『03』『04』は多少なりに構えたときのイメージの違いが表れるので、あとは個人の好みで選んでいいと思います。『02』は見た目の精悍さに反し、思った以上に打てた感じで驚きました。『03』は『04』よりも縦(トウからヒールまで)が長く、少し苦手意識を持ってしまうサイズ感。一方、『04』はトップブレードの厚みはあるものの、縦の長さは短く全体的にコンパクトで違和感を覚えないシルエットでした。『05』も大きめのサイズの割には、多少の操作性を感じられるほど構えやすい。5機種それぞれに度合いは違えど精悍さは有していて、安心感だけではなく打ちやすさも考慮したシリーズであることを実感しました」
―他社の飛び系アイアンと比べると?
「シリーズ全体的にアイアンらしいアイアンですが、その中では『04』はややユーティリティ型アイアンっぽい要素を含んでいるでしょうか。アイアン型の要領で芝の上から打ち込める感じもありつつ、多少ライが悪いところからでもボールを拾ってくれそうなユーティリティの印象も感じる。他社の飛び系と比べ、前に飛ぶ性能に特化した感じはなかったですが、最近ではカテゴリーの境い目が薄れ、スピンがちゃんと入っていながら飛距離も出る両立したモデルも多いので、そう考えるとイマドキの飛び系と呼べるのかもしれない。ちょっと飛距離が出て、スピンもしっかりかかる。実戦向きの性能として、ちょうどよさを有したアイアンといえます」
―払い打ちor打ち込み、どちらのタイプに合う?
「結論から言うと、どちらにも合うと思います。基本的にアイアンはどんな性能でも打ち込むべきだと考えますが、パワーがなくHSが遅いと、ちょっとインパクトで緩んで払い打ちになってしまうときがある。そんなシーンでも、今作はボールをしっかり拾ってくれ、弾道が十分に上がってくれる。払い打ちにも打ち込みにも対応し、ユーティリティ型の要素も通常のアイアンの要素も含んだ性能だと感じました」
―どのような人向き?
「アイアンで飛距離が足りないと悩んでいる人や、グリーンに届かない回数が多くスコアが伸び悩んでいる人向き。弾きが強すぎて、意図した距離よりオーバーして飛んでいってしまう感じはなく、グリーンで止めるための弾道の高さも見込めるため、ちゃんとスコアメークの手助けをしてくれる期待が持てます。ソール幅が広く、多少インパクトが緩んでしまった場合でも、ボールを拾ってくれる安心感は必ず武器になってくれるでしょう。アイアンに自信が持てないアベレージゴルファーの強い味方になってくれるはずです」
3項目4.5点&2項目4点 バランスの取れた評価【総合評価4.3点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5
・ロフト角:28度(7I)
・使用シャフト:スペックスチールIII Ver.2(硬さS/M-43)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。1998年「日本女子学生選手権」にて優勝し、大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場。2002年にプロテスト合格後は、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで活躍。23年国内女子シニア「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ」優勝。