APEX Ai200 アイアンを筒康博が試打「5番から入れたくなる高機能」
ブランド誕生10周年Aiフォージドアイアン ご意見番クラブフィッターの評価は!?
精悍なルックスとやさしい性能で国内外問わず多くのファンを獲得しているキャロウェイ「APEX」シリーズ。ブランド誕生から10周年という記念すべき年に、「Aiスマートフェース」を搭載した新たなフォージドアイアンとしてリニューアルした。今回はそんな注目シリーズから、よりシャープな形状の「APEX Ai200 アイアン」をヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博が試打評価を行った。
「トレンドを押さえたイマドキ性能 7Iロフト30度の“ど真ん中”アイアン」
―率直な印象は?
「大きくボテッとは見えない外観にもかかわらず、実際に打つとすごく初速と高さが出るイマドキの性能を有しています。過剰なスピン量が入りにくいのに、見た目以上に高く飛んでくれるユーティリティで打ったかのような弾道。現在、女子プロの7番の平均ロフト角は29~30度と聞きましたが(今作は30度)、今後女子ツアーで人気が高まりそうな性能だと感じました。同じくらいのHSのアベレージゴルファーにも良い結果が得られそうなアイアンです」
―女子プロの中で人気に…?
「はい。現在の女子ツアーでアイアンに求められる要素は、飛距離だけではなく高さと寛容性と精悍なシルエットです。その3つを押さえた『Ai200』は、彼女らの要望の受け皿になってくれること請け合い。ことし4月に発売された『X FORGED アイアン』『X FORGED STAR アイアン』に多くの選手がスイッチしましたが、ミスに比較的強い『―STAR』でも『APEX』と比べると許容範囲は狭いほう。打感の秀逸性に富んでいる半面、クラブが助けてくれる要素が強いのは『APEX』。長い番手もセッティングに入れたくなるモデルは、『X FORGED』<『APEX』だと思います」
―見た目の感想は?
「若干グースが効いているというか、オフセットが少し入っています。コンパクトなヘッドを好むゴルファーは、操作性の高いストレートフェースを好むケースが多いのですが、逆にオフセットがなさすぎて嫌という方もいらっしゃいます。そういった方にアプローチできる点が今作の特徴といえるでしょう。オフセット付き=ヘッドサイズが大きいモデルが一般的である一方、グースネックの入ったコンパクトヘッドという特徴は、今作の希少価値を上げている気がします」
―兄弟モデル「APEX Ai300 アイアン」と比べると?
「『Ai300』は、『Ai200』と比べてトップブレードの厚みや飛距離性能を強く感じました。もちろん、『パラダイム Ai スモーク』シリーズから比べれば、コンパクトで決してフェースが分厚いわけではない。ですが、打ってみると『パラダイム Ai スモーク』と同等の球筋が出る。『APEX』シリーズというと、これまではややプロ向けの要素が強いプロダクトでしたが、ついにこのカテゴリーにも飛び要素が加わったか… と実感しました」
―それだけ「Ai スマート フェース」の効果が大きい?
「そうですね。ちょっとネーミングとテクノロジーの情報に洗脳されているのかもしれませんが、同社のAiフェースは過去モデルでも、ちゃんと結果とフィーリングで感じることができるほど効果は明確。芯を外しても初速が落ちず、フェース下めに当たってもボールが上がります。特に、前作よりロフト角が0.5度立っている設定(7Iで30度/APEX アイアンは30.5度)でも初速性能は上がっているので、最高到達点ではちゃんと理想の高さに届く。安定した角度で落下角度が付けられるので、多少ミスヒットしてもボールを意図した距離に止めることができます」
―どのような人向き?
「ずばりアイアンセットを5番から入れたいと考えている人向き。実際に女子プロと我々アマチュアの違いは、ロングアイアンとユーティリティの数だと思っています。女子プロはショートウッドやユーティリティを2本以上入れ、アイアンは6~7番からという無理をしない組み合わせが大半。同じHSにもかかわらず、5番から入っているのが一般的なアベレージゴルファー。今作の高機能の恩恵は、実は7番以下より5、6番で強く感じるものと考えると、5番から揃えたいアマチュアのほうがメリットは大きい。女子プロに人気が出ると言いましたが、よりマッチするのは寛容性の高さを求めるアマチュアゴルファーなのかもしれません」
「X FORGED」とは違う! 寛容性5点満点【総合評価4.4点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】5.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:30度
・使用シャフト:NSプロ 950GH neo(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。「インドアゴルフレンジ Kz 亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。