キャロウェイ OPUS ウェッジを宮下敏弥が試打「操作性も寛容性も まさに万人向け」
溝＋2本の新ブランドウェッジ テックNo.1の飛ばし屋コーチの評価は！？
今月13日に発売されたキャロウェイの新ブランド「OPUS（オーパス）ウェッジ」。溝と溝の幅を狭くしたことで、前作「JAWS RAW ウェッジ」より溝が2本増え、ラフや濡れた芝の上でもスピン量が安定して増加するという。打ち出し角を低く設定することでコントロール性能もアップした新ブランドウェッジを、ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。国内ゴルフテックNo.1の飛ばし屋コーチ・宮下敏弥が試打評価を行った。
「とにかく抜けがいい “滑る”と“弾く”の絶妙比率」
―率直な印象は？
「多少ボールの手前にヘッドが入ってしまって、ダフリやチャックリ気味のミスを起こしても、ナイスショット時と変わらないボールが出てくれます。多少ミスヒットしてもスピンがしっかり入ってくれるので、どんな悪いライからでもコントロールができそう。また、バンカーショットの際に一番感じたことですが、とにかく抜けがいい。意図せず砂に深く入ってしまっても、スパッと抜けてくれるのでミスがミスになりにくいです」
―前作「JAWS RAW ウェッジ」と比べると？
「『JAWS』シリーズは、スピン性能に特化している印象を持っていましたが、今作はそれにプラスして操作性も寛容性も備わっていて、アプローチが苦手な私でもボールを操れそうな気がしました。スピン量のコントロールだけではなく、いろいろな打ち方で攻められる。アプローチショットのバリエーションの幅がすごく広がりそうな気がします」
―他社のツアー系モデルと比べると？
「他社ウェッジと比べて異なる点はふたつ。ひとつは、バンカーショット時に、フェースを開くとヘッド自体が小さく見えるところ。もちろんスクエアに構えても小ぶりは小ぶりに見えるのですが、ネックからトップブレードのラインが曲線的で窪(くぼ)みがないため、懐(ふところ:ネック部とフェース面のつなぎ目)が狭く感じられます。開いた状態でのフェースの見え方が非常にコンパクトに見えます。砂を薄く取っていけるイメージが湧くのは、小回りが利きそうな小さいフェースならではだと思いました」
「もうひとつは、打感が同社のアイアンとのつながりを重視している点。特にことし4月に発売された『X FORGED アイアン』と同じく、軽い振り心地でやわらかいフィーリングなのにボールはぶっ飛ぶ性能をウェッジで具現化しています。アイアンショットと同じフィーリングで打てるので、アプローチが苦手な私には強みだと感じました」
―バンカーでの抜けの良さをもう少し具体的に？
「バンカーでは、ボール周辺の半径5cmを薄く取れば取れるほどいいと考えています。スピン量も弾道の高さもコントロールするには、薄く取れたほうが砂の抵抗が少なく、イメージを実現しやすい。それにはリーディングエッジ(フェース下部の刃)が丸みを帯びていたほうが良く、砂にスムーズに潜って行ける分、砂量を計算しやすい。ただ、砂を取っていく動きは、バウンスで砂を弾きながら行うものなので、うまく調整するのは非常に困難。“滑る”と“弾く”の比率が絶妙でないと成り立たないものですが、今作はそこが十分に備わっています。弾きが強くてもちゃんと滑ってくれる＝抜け感のいい性能に仕上がっています」
―マイクラブと比べてどう？
「現在はテーラーメイド『MG4 ウェッジ』を使用しているのですが、スピン性能の高さは同じくらい高レベルに感じました。スピン性能に特化していながら、『OPUS』のほうが若干、扱いやすさも備わっている。スピンの効き具合を重視したいなら『MG4』、全体のバランス性を重視したいなら『OPUS』と振り分けられそうな気がします」
―どのような人向き？
「バウンス角は6～14度、グラインドはS、W、C、Tと4種類から選べるので、私のようなアプローチが苦手なゴルファーからプロ・上級者まで、幅広い層に向いています。多くの人がその扱いやすさを実感できるモデルではないでしょうか。カテゴリー的にはツアー系に属しますが、シビアな印象はなく、むしろアベレージゴルファー向き。ゴルフを始めたばかりという方以外は、ほぼ全ゴルファーが対象だと思います。やさしい性能で打感がやわらかく、ボールがフェースにくっ付く感触を得たいオールマイティなモデルを探している人にお勧めのウェッジです」
大満足のオール5！ 即買い替えレベルの最高点【総合評価5.0点】
【スピン性能】5.0
【打 感】5.0
【抜け感】5.0
【バンカー対応力】5,0
【構えやすさ】5.0
・ロフト角/バウンス角/グラインド：50度/10度/S、52度/10度/S、56度/12度/S、56度/14度/W、
・使用シャフト：NSプロ モーダス3 ツアー115（硬さS）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 宮下敏弥（みやした・としや） プロフィール
1999年生まれ、神奈川県出身。小学校から高校までサッカーに打ち込み、ケガを理由で大学からゴルフに転向。わずか2年でベストスコア65をたたき出し、最終的にチームの主将を務めた。ゴルフ上達の最短ルートを心得ていると自負しているゴルフテック期待の若手コーチ。週2～3回のウエートトレーニングを欠かさず、筋力には自信あり。得意のドライバーショットは300ydを超える。