クラブ試打 三者三様

ブリヂストン 242CB+ アイアンを西川みさとが試打「ちょうど良すぎるアイアン」

2024/10/15 20:00

売り上げ好調!高精度軟鉄鍛造アイアン HS40m/s未満の女子プロ評価は!?

堀川未来夢吉田優利古江彩佳らがすぐにスイッチしたことで話題を集めているブリヂストン「241CB」アイアンシリーズ。極上の打感、顔、抜けの良さを追求した高精度の軟鉄鍛造アイアンとして、9月に発売したばかりだが、早くも売り上げは好調とのこと。そんなヒット作をヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずは、やさしさと飛びをプラスした「242CB+ アイアン」を、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「欠点が見当たらない! 超バランス型の優等生タイプ」

さすが納得の結果に。ほぼ横ズレなし

―率直な印象は?
「うーん…、どのような言葉で表現していいかが難しいクラブですねー(笑)。クセがなく、いい意味で本当にちょうどいいアイアン。何かにすごく特化していて、前作と比べてテクノロジーが大きく進化したというわけではない。適度なサイズ感と厚さでジャストな形状、しかも性能面でも全てが平均点以上というバランス型。対象ユーザーを選ばず、どんなゴルファーにも好かれる優等生的モデルに感じます」

高精度・軟鉄鍛造アイアン。キャッチコピーは“快芯の鍛造”

―飛距離特化型ではなくバランス型?
「はい。飛距離がそこまで伸びている印象はなかったので(総距離:7Iで平均137.3yd)、とにかく前に前にボールを遠くへ飛ばすタイプではなく、ボールをしっかり定めた距離に運ぶアイアンです。前作『222CB+ アイアン』よりも扱いやすさがグレードアップし、何のどの要素が違うとは言い切れないですが、なんとなく打ちやすさが向上した印象。元々バランス型ではあった同シリーズが、そのバランスをより突き詰めて、多くのゴルファーの“ちょうどいい”を昇華させたといったところでしょうか」

ライン出しのイメージが湧く「242CB+」のアドレスビュー

―見た目の評価は?
「申し訳ないのですが、見た目に関しても『普通にいい顔』としか表現のしようがないほど、大きな特徴も欠点も見当たらない顔立ちです。とにかく安心感を抱けるほど大型でも、難しいというほど小型でもない適度なサイズ感。ただ、非常にボールをコントロールしやすそうなイメージは膨らみます。基本的にはストレートネックですが、適度な懐(ふところ:ネックからフェースにつながる部分)があるので安心感がありつつ、狙っていける。ツアープロが頻繁に行うライン出しがしやすそうなフォルムといえます」

ディテールは違えど大まかな形状は一緒

―前作より打ちやすくなった要素も、はっきりとは言えない?
「バックフェースに入った2つの穴がある、ないといった違いは見受けられますが、そこが打ちやすさに影響しているとは断定できません。基本的にアドレスして上から見た形状は一緒で、振り心地や打感もほとんど同じです。ひとつ言える違いとしては、軽快さ…。インパクト前後でのヘッド操作が、前作より若干瞬時にイメージ通りに動いてくれる。イメージした通りにボールを拾ってくれてる分、扱いやすさにつながっている気がします」

フェースの内部をくり抜いて空間を設けた「インナーポケット構造」

―あえて気になる点は?
「気になる点は本当に何もないです。大きさも薄さもちょうどいいですし、顔も美しい。結果も付いてくる。ただ、そこをどう表現していいかが分からないというところが、もどかしいという点は気になるところかもしれません。外観でも性能面でも余計なものがなく、すごくシンプルで“昔っぽい”という表現が一番適当かもしれない。右に左にインテンショナルに曲げて打つショットも打ちやすいですし、弾道の高さもコントロールできる。比較的に常に同じスイングで同じ球筋が出やすくなった最近のアイアンよりは、自由自在に操れる昔のアイアンっぽい特徴かなと思います」

「プロが求める高さを抑えたコントロールショットが打てる」(西川)

―どのような人向き?
「本当にオールマイティで、どんなゴルファーにもマッチするモデルです。私くらいのHSの遅い人(1Wで平均35~36m/s)から、ドライバーショットに自信のあるHSの速いハードヒッターまで、プレーヤーを選ばない幅の広さを感じます。ただ、ライン出しのイメージが出しやすい点を考えると、上体の回転で打つスインガータイプより、パンチショットを多用するヒッタータイプのほうが適しているのかもしれません」

昔っぽさ◎な絶妙バランス型でオール4【総合評価4.0点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:31度(7I)
・使用シャフト:NSプロ モーダス3 ツアー105(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。1998年「日本女子学生選手権」にて優勝し、大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場。2002年にプロテスト合格後は、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで活躍。23年国内女子シニア「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ」優勝。

ブリヂストン
キレと操作性を研ぎ澄ました 軟鉄鍛造ツアーアイアン
発売日:2024/09/06 参考価格: 145,200円