クラブ試打 三者三様

ミズノ JPX925 HOT METAL アイアンを筒康博が試打「結果につながるJPX」

2024/10/24 20:00

ミズノ史上No.1の高初速+高弾道アイアン ご意見番クラブフィッターの評価は!?

『飛ぶJPX?』というキャッチコピーで、アイアンでも飛距離を重視するゴルファーへ向けて開発されたミズノ「JPX 925 HOT METAL」シリーズ。同社史上No.1の高初速と高弾道を生み、フェースのどこに当たっても飛ぶアイアンとして生まれ変わった。そんな意欲作のスタンダードモデル「JPX 925 HOT METAL アイアン」を、兄弟モデル「―HL」「―PRO」と比較しながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博が試打評価を行った。

「とにかく高く真っすぐ飛ばせる! 結果につながる正統進化」

ミスというミスが出ず ボールの上げやすさと直進性を実感

―率直な印象は?
「ミッドサイズで寛容性が高いヘッド。高弾道で真っすぐ飛びそうなブランドイメージそのままの打ちやすさを感じます。アイアンにはやさしさも必要ですが、私は同時に操作性も求めてしまうので、ユーティリティのようなオートマチックな性能では少し物足りなさは感じます。ですが、とにかく高く真っすぐ飛ばしたいゴルファーには、今作のような結果につながる『JPX』の性能がピッタリ。スコア重視で考えるなら必ず候補に挙がるアイアンだと思います」

前作JPX923より約30%(0.55mm)薄肉化してフェースのたわみをさらに増幅

―どのあたりが進化している?
「うーん、そうですね。歴代の同社アイアンを長年愛用している方には進化を感じられると思いますが、初見で分かるほどの大きな変化は感じません。弾き感の強めなソリッドな打感が良くも悪くも際立っているので、前作との比較というより、他社との比較で好き嫌いで大別されそう。しっかりボールを潰せて食いつく打感が好きな方や、フェードとドロー、ロフト角を操作して高さをコントロールしたい方には、他シリーズを勧める流れになると思われます。プロダクトとしてきちんと立ち位置を確保できているシリーズの正統進化版と捉えるべきではないでしょうか」

左からスタンダードモデル、「HL」「PRO」

―兄弟モデル「―HL」「―PRO」と比べると?
「『―HL』は弾き感が強く、真っすぐ遠くに飛ばせる性能を、スタンダードモデルより感じられます。シリーズ初代から引き継がれている『HOT METAL』の特徴を純粋に継承しているモデル。同シリーズのフラッグシップモデルは、スタンダードモデルと『―HL』の2択に分かれるでしょう。もう少しだけ小ぶりなヘッドで、操作性を持たせたい方のみ『―PRO』という構成。ただ懸念点を挙げるなら、『JPX』というブランドがあって、その下に『HOT METAL』シリーズ、その下に『HL』『PRO』と細分化されているのでやや複雑な気がします。同社フィッターさんにしっかり見てもらう必要性を感じました」

クロモリより強度が約35%高いニッケル・クロムモリブデン鋼を採用

―ニッケル・クロムモリブデン鋼を使用した打感は?
「正直、素材が軟鉄なのかクロモリ鋼なのか、鍛造なのか鋳造なのかは、実はメディアが騒ぐほどユーザーはそこまで気にしていないというのが事実な気がします。理由は、以前ほど打感の違いが明確ではなくなってきたから。そもそもクロモリ鋼の最大の特徴は、設計自由度の高さであり、大きなキャビティバックで寛容性の高さを求めた結果、偶然新たなクロモリ鋼が当てはまったというだけの話。合う合わないのフィーリングは、情報抜きで決めていいと思います」

トウ・ヒール側の薄肉部を広くしたことで高初速エリアを拡大

―他社でいうと類似モデルは?
「見た目の安心感、比較的に立ったロフト設定(今作は7Iで28度)、直進性の高さを比べたくなる点で、同じキャビティバックのピン『G430 アイアン』になるでしょうか。現在流行の中空系複合素材アイアンとは、寛容性の高さの作り方が違うと思うので、やはりライバルは同じカテゴリー同士になると思います」

「球離れが少し早い分、フェード向きというかつかまり感はやや抑えめ」(筒)

―どのような人向き?
「基本的には同社アイアンファンで、最近ボールが飛ばなくなった、上がらなくなった、芯を外す回数が増えたと悩むベテランゴルファーが対象。ある程度ゴルフ歴が長く、自身のスコアメークやアイアンの距離設定がしっかりでき上っている人のほうが、今作の性能を引き出しやすいと思います。また使用ボールが決まっていて、ウレタンカバーのプレミアム系というよりは、2ピース以下のディスタンス系ボールを使用している人向き。比較的に打ち出し角とボール初速で大きなキャリーで飛ばしたいプレーヤーに向いているといえます」

飛距離・寛容性・構えやすさ4.5点の確立したポケキャビ 【総合評価4.3点】

【飛距離】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:28度(7I)
・使用シャフト:NSプロ 950GH neo(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール

スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。「インドアゴルフレンジ Kz 亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。

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