スリクソン ZXi5 アイアンを西川みさとが試打「もう、ほぼ満点 サイズ感UP希望」
ツアー高使用率ブランド「5」シリーズの最新作 HS40m/s未満の女子プロ評価は!?
「ZXi」として、11月に発売されたばかりのダンロップ「スリクソン」新シリーズ。国内ツアープロの使用率が高い同シリーズアイアンは、独自の鍛造工程&熱処理加工「i-FORGED」がもたらす同ブランド史上最高の打感と、驚異のボールスピードを実現する「MAINFRAME(メインフレーム)」が特徴となっている。その中から今回は、操作性と寛容性のバランスに優れた「スリクソン ZXi5 アイアン」を、HSの異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「打感秀逸で分厚い当たりを演出 形状や顔立ちはほぼ完璧だけど…」
―率直な印象は?
「顔や形状にクセがなく、性能も扱いやすくてとても打ちやすいアイアンです。打感は結構やわらかめですが、やわらかすぎるわけではなく、インパクト時にしっかりヒットしている感触が得られ、フェース面に食いつく感触も心地いい。ボールの下にヘッドをグッと入れていける感覚が持て、コントロールしながら分厚い当たりを演出してくれる。満足のいくフィーリングと見た目で非常に高評価です」
―具体的に見た目はどこがいい?
「ヘッドの作りに無駄がなく、細部まで完成されているように見えます。構えたときのルックスは美しささえ覚えるほど。ただ、ひとつ要望を言わせていただけるなら、サイズをもうひと回りだけ大きくしてほしかったかなー…といったところ。単に私が普段他社のモデルを使用していて、見慣れていないだけだとは思うのですが、ちょっとだけ小さいサイズ感なので、アドレス時にプレッシャーを抱いてしまいました。形状や顔立ちがパーフェクトなだけに、サイズ感をもう少し大きくしてくれれば…、とつい勝手なお願いをしたくなった次第です」
―前々作「ZX5 アイアン」、前作「ZX5 Mk II アイアン」との違いは?
「2020年から『ZX』シリーズとなり、初代『ZX5』ではそれまでのスリクソンのイメージからガラリと変わって、寛容性がすごく高まった印象を受けました。ドライバーのHS30m/s台の私にとって、従来の同ブランドアイアンというと、かなりシビアな印象を抱いていただけに、柔和なイメージが加わったことで扱いやすくなり、とても好印象に映りました。今作もその流れは継承されていて、ツアーモデルとしての操作性もありながら、私でもボールが上がるやさしさを兼ね備えたバランスのいい性能に仕上がっています」
―同時期発売ブリヂストン「242CB+ アイアン」と比べると?
「『242CB+』も良い意味で“ちょうどいい”と感想を述べましたが、超バランス型の優等生タイプという点で、今作と共通している部分は多いといえます。あとは好みの問題になりますが、今作のほうが若干食いつき感は上。『242CB+』のほうが少しだけ球離れが早く、その分だけ弾き感が強い。大きな差ではなく、本当に一瞬のフィーリングの違いなので、打った瞬間の繊細な違いを感じながら打ち比べてもいいかもしれません」
―今回シャフト違いを打ってみての感想は?
「純正の3モデル(NSプロ モーダス3 ツアー105、NSプロ 950GH neo、Diamana ZXi)を打たせてもらいましたが、それぞれ重量が変わってくるので、その分の重さの違いで振り心地や扱いやすさの感想が若干変わります。最も重い『モーダス3 ツアー105』は総重量が重いため(5I/硬さSで410g)、少し振りきれませんでした。一番軽い設定の『Diamana ZXi』は振れなくはないのですが(5I/硬さSで380g)、カーボン特有のシャフトのしなり量が足りない。重量として中間の『950GH neo』(5I/硬さSで406g)が、同じフレックスでもカーボンより層の厚みを感じず、しなり量の多い動き方をするので一番打ちやすかったです。できれば『950GH neo』も少しだけ重く感じるので、私が実戦で使うなら『850GH neo』になるでしょうか」
―どのような人向き?
「寛容性が高まったと言いましたが、すごくやさしくなったかと聞かれると、そこまでエンジョイ派に寄っているわけではなく、ゴルフに対して熱心なアスリート派向けであることは変わりがありません。基本的には競技に出場したり、日頃からしっかり練習している人向け。ですが、シャフトの種類を調整すれば、私でも選択肢に入るほどターゲットは幅広いです。最低ラインはうーん…、私くらいのHSとアスリート具合ですかね(笑)」
「パーフェクト」と評するもサイズ感は超重要! 構えやすさも4.0止まり…【総合評価4.1点】
【飛距離】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:31度(7I)
・使用シャフト:Diamana ZXi、NSプロ モーダス3 ツアー105、NSプロ 950GH neo(全て硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。1998年「日本女子学生選手権」にて優勝し、大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場。2002年にプロテスト合格後は、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで活躍。23年国内女子シニア「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ」優勝。