静から動へ テーラーメイド「M」からの卒業
2020/01/10 07:11
テーラーメイドが選択したのは「M」シリーズからの“卒業”だった。同社は9日、ゴルフクラブの新たなブランドとして「SIM(シム)」シリーズを発表。担当の高橋伸忠ディレクターは「Mを卒業して、次のレベルに上がるというイメージ」と説明した。
Mシリーズは2015年に登場して以降、ゴルフ界を席巻してきたとも言える。この5年間で「M1」から「M6」までを送り出し、19年も世界主要ツアーで21勝を重ねた。
ヘッドに複合素材を最適配置するMシリーズのテクノロジーを踏襲しつつ、SIMシリーズは空気抵抗を抑えるヘッド形状に設計することで、ダウンスイングからインパクトまでの加速を上げる発想を盛り込んだ。
高橋氏は「Mシリーズは、インパクトの一瞬を追求して作られた。SIMシリーズはそこに至るまでの過程(ヘッドを加速させる)の性能をどう上げていくかに考え方を切り替えた。素材の追求は『M6』までに究極と言える段階まで来た。今までの考え方を卒業して、次のステップに踏み出す。そのために新ブランドを立ち上げました」と明かす。
ネーミングについては、多くのゴルフファンに認知されているMシリーズを踏襲するプランもあったという。「もちろん『M7』や『M8』という意見もありましたが、コンセプトの根幹を静的(インパクトの瞬間)なものから動的(スイング途中で加速させる)なものに変えているので、それは違うと」。すでに世界ランキング1位のダスティン・ジョンソンらが使い始めた新シリーズが、その名を轟かせるのか注目だ。