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「パラダイム(仮)」のヒントは過去モデル!? 発表直前 マーク金井の大胆予想

2023/01/12 18:30
サム・バーンズ使用のプロトタイプ「トリプルダイヤモンド S」と目されるモデル

「セントリートーナメントofチャンピオンズ」で逆転優勝を果たしたジョン・ラーム(スぺイン)。彼の手に握られていたドライバーは、契約メーカー・キャロウェイの最新モデルだった。最終日に7打差をひっくり返したラームの爆発力を生んだのは、「PARADYM」と記されたドライバー。13日に発表が予定されている「パラダイム(仮)」の気になるポイントを、ゴルフギア界のご意見番・マーク金井氏に聞いた。

いよいよ13日発表! 刷新性はテーラー超えの可能性大

「R&Aと全米ゴルフ協会(USGA)の登録画像を見る限り、昨年発売の『ローグ ST』から名称を変更し、全く新しい構造を打ち出してくることは容易に予想できます。毎年、同時期に発売され、何かと比較されるテーラーメイドは11日に『ステルス2』を発表しましたが、売り上げに直結する“刷新イメージ”は、キャロウェイの方がやや強いように感じます」

温故知新!? カーボンフェースを検討した先に…

「ローグST」同様の後方ウエイトが確認できる

「17年『GBB エピック』→18年『ローグ』→19年『エピック フラッシュ』→20年『マーベリック』→21年『ローグ ST』と来て、誰もが次作は『エピック』の後継と予想したと思います。そこで『パラダイム(仮)』という新しいネーミングを持ってくるということは、ここ4~5年間の流れに区切りをつけ、全く新しい扉を開いてくるのではないかと考えます」

全く新しい扉? 金井氏が考える扉のカギとはどこにあるのか。「“未来のヒントは過去にあり”ということ。ヒントが4~5年前のモデルにないということは、もっとそれ以前。10年以上前のモデルに着目したのではないでしょうか」と大胆な予想を展開する。

フェース面左上にはチタン製であることが予想できる「FORGED Ti」の文字

「実は同社は、02年発売の『ビッグバーサ C4 ドライバー』で、どのメーカーよりも先に、複合カーボンをヘッド全体100%に採用しました。当時は、あまりにも画期的だったため、売り上げとしては、それほど納得できるものではなかったと記憶しています」

「時は流れて22年、ライバル社であるテーラーメイドが打ち出したカーボンフェースを、同社も検討しないわけにはいかなくなりました。もちろん試作を繰り返し、テストを何度も行った結果、フェース重量が軽過ぎる(“軽い”ではなく“軽過ぎる”)ことのメリットだけではなく、デメリットも多く挙がったと予測します。シャフト延長上に重量がなさ過ぎる(“ない”ではなく“なさ過ぎる”)ことで、純粋な振り心地という点と、アイアンを含めた他クラブとのつながりという点でネックとなり、同社はカーボンフェースの採用を踏みとどまったのではないかと思うのです」

フェース以外が全カーボン 「FT TOUR ドライバー」がヒントに!?

カーボンフェース採用を踏みとどまった…。では次に考えた策とは何か? 「約13年前の過去モデルにヒントが隠されています」と金井氏。

約13年前にFT TOUR ドライバーを試打(「試打インプレション」より)

「踏みとどまった後、新たなヒントとなった過去モデルが、10年発売の『FT TOUR ドライバー』です。カーボンフェースはやめたものの、フェース以外の全部分をカーボンにできないか――。目にとまったモデルが、約13年前の『FT TOUR』だったのではないかと思います」

「『FT TOUR』は、上級者向けモデルでしたが、軽量かつ高強度のカーボン素材をボディに採用し、約37gの余剰重量を生かした低重心設計ヘッド。当時は、やや上級者・競技志向のあるゴルファー向けで、シビアな印象を持っていましたが、『ジェイルブレイクテクノロジー』や『AIフェース』といった最新技術を踏襲することで、飛距離性能だけではなく、寛容性の高さも演出できると考えたと思います。13年の時を経て、一周回って気付いたカーボンモノコックボディ(全体を殻のように覆った)の可能性。新たな『FT TOUR』が、『パラダイム(仮)』として再現されるのではないでしょうか」

『パラダイム トリプルダイヤ』投入初戦に逆転勝利を収めたラーム

純粋な予想とは思えないほど、明確なロジックを展開してくれた金井氏。ギアアナリストとしての長年の経験と、これまで培った勘で流れるようなストーリーを語ってくれたが、果たして予想は的中するのか。13日の答え合わせが俄然楽しみとなった。