「ツアープロもクラブにやさしさを求める」 ~ピンゴルフ編~ 2013年 Vol.1
クラブ開発で心掛けているのは、第一にパフォーマンス
今回、G25 ドライバーはゴールド賞を獲得したが、テスターのなかには扁平感のある大きなヘッド形状を好まないゴルファーもいた。他メーカーには構えやすさを優先して、あえて小ぶりヘッドのモデルを開発することも多いが、ヘッド形状について、ピンはどのように考えているのだろうか。
「小ぶりのヘッドを好むゴルファーがいるのは、もちろん私も知っています。しかし、ピンがクラブ開発で心掛けているのは、第一にパフォーマンスの良さです。ドライバーはヘッド体積が大きいほど、設計上での余剰重量が多くなり、ヘッドの適所に重量を配置することができます。より良い重心設計によってヘッドのパフォーマンスを極限まで引き上げるためには、ルール限界の460ccが断然有利なのです。ツアープロには何年も前から420ccや430ccのヘッドをテストしてもらっていますが、460ccのほうが良い結果が得られるという確証も得られています。そのパフォーマンスを落としてまで、ヘッドを小さくしようとは考えていません。
また、ヘッドを大きくすると、ツアープロが求める操作性が犠牲にされるのではないかと言う人もいますが、そんなことはありません。ご存じのとおり、バッバ・ワトソンはG25 ドライバーを使って大きく球を曲げてコースを攻略しています。球筋を操作するにしても、ヘッドが大きくて寛容性があったほうがいいのです」
G25シリーズは、ドライバー以外では構えやすさを意識した改良が加えられている。アイアンは、前モデルのG20よりもヘッドがコンパクトになり、ルックスがシャープになった。ユーティリティも従来のアイアン型からウッド型に変更されている。
「構えたときにバックフェースが見えるアイアンを好まないゴルファーが多かったので、G25 アイアンではそれを改善し、シャープな印象を持たせるように設計しました。そのうえ当社のテストデータでは、従来のG20 アイアンよりもパフォーマンスを上げることに成功しています。G25 アイアンが高い評価が得られたのは、性能とルックスの両方を向上できたモデルだからだと思います。G25のユーティリティをウッド型に変更したのも、ゴルファーの意見を反映させた結果です。グースがあって球のつかまりがいい従来のアイアン型にもファンはいたのですが、ウッド型を好むゴルファーのほうが多かったのです」