「べストな“7番”はどれだ!?」 素朴な疑問を徹底解明
どのモデルが自分に合う7Iなのか!?
7番アイアン(以下、7I)を徹底的に掘り下げた今シリーズも、いよいよ最終回。第1回では7Iが特別な番手であること、また第2回では7Iの1本だけで18ホールまわっても支障がないほど万能であることが分かった。では、どのモデルが自分にベストな7Iなのか!? 今回もカリスマフィッター筒 康博氏に聞いた。
「アイアンに何を求めるか? を想像しましょう」(筒氏)
「7Iを含むアイアン選びでは、ミスをカバーしてくれるもの、向上心を高めてくれるものなど“ベストなクラブ”の定義はゴルファー個々で異なります。まずはインパクト後の操作性と弾道に直結するヘッドを決めましょう」と筒氏は指南する。
チェック項目は、“ロフト角”&“重心深度”
「ヘッドスペックだけでもたくさんチェック項目がありますが、まず確認してほしいのが“ロフト角”と“重心深度”です。
“ロフト角”は、コースで実際に飛距離を決めるうえで大変重要な項目です。ですが、同じ7Iでもメーカーごとに数値が異なることを知らない人は意外と多いのです。(ロフト角で表示されている)ウェッジを追加する際の基準にもなりますので、必ずチェックしてみてください。
また“重心深度”は、最近のモデルの傾向として、デザインに反した設定のものがあるので、こちらもチェックが必要になります。ひと昔前まではヘッドが大きければ必ず重心は深めに設定されていたのですが、最近のモデルでは浅めのものも存在しているからです。見た目だけでは判断できないので、必ず確認したい項目です」(筒氏)
筒氏の解説のもと、今回はこの“ロフト角”と“重心深度”を軸にした分類表を作成してみた。
【1】とにかく飛ばしたいなら、“飛び系アイアン”
“飛距離”を重視したいなら、『インプレス UD+2 アイアン(ヤマハ)』『シャトル NX-1 アイアン(マルマン)』など、ロフト角が27度以上と立っているストロングロフト設定の“飛び系アイアン”がおすすめ。最近の傾向として“重心深度”は14mm前後と平均的なものが多い(上図参照・赤色ゾーン)。
【2】左右&高低の打ち分けをしたいなら、“操作系アイアン”
“飛び系アイアン”の対極にあるのが、『ツアーワールド TW737 Vs アイアン(本間ゴルフ)』を含むTW737シリーズなどの“操作系アイアン”。重心深度は浅め(13.5mm以下)で、飛距離より操作性に特化したモデル。“ロフト角”は30度より寝ているモデルが多い(上図参照・青色ゾーン)。
【3】見た目「スッキリ」なのに「やさしさ」を求めるなら、“ギャップありアイアン”
最近多く見られるモデルが、『グローレ F2 アイアン(テーラーメイド)』『キングフォージドツアーアイアン ワンレングス(コブラ)』などの、見た目は“スッキリ”精悍な顔立ちなのに、性能はオートマチックな“やさしさ”を持つクラブ。見た目と性能にギャップのある“ギャップありアイアン”。“ロフト角”は30度前後、“重心深度”は14mmより深めが特徴(上図参照・緑色ゾーン)。
弾道とフィーリングをチェックしよう!
「とにかくいまのアイアンは、打ってみるとその性能の高さに驚くと思います。まずは使用中のシャフトに近いクラブスペックで、実際に試打することが重要です。今回の“ロフト角”と“重心深度”のグラフを参考に、ぜひベストなアイアンを見つけてみてください」と筒氏。
打感や弾道などの参考意見を確認したい場合は、有識者やテスターのコメントが満載のHOT LIST JAPAN 2017をチェックしよう!
解説/筒 康博
ゴルフ工房「G-XX(ジックス)ゴルフプロデュース」を主宰。ゴルフコーチ、クラブフィッター、クラフトマンとして数々のゴルフ誌にて活躍。プロアマ問わず約7万人以上のゴルファーにアドバイス経験を持ち、フィッティングセミナーや講演も精力的に行っている
撮影協力/ロイヤルスターゴルフクラブ