ファウラーとクラークの「中尺VERSA」 中古で見つかる!?
「全米オープン」の最終日最終組を回ったウィンダム・クラークとリッキー・ファウラー。2人が同じモデルのパターを使用していたことが話題となった。もともとは、今年1月にファウラーが自身のキャディが使用するオデッセイ「VERSA JAILBIRD」を気に入り、同社に依頼して誕生したレプリカを実戦投入したことから。その後、オクラホマ州立大時代の後輩にあたるクラークがファウラーのパターに興味を持ち、同モデルをリクエストしたという経緯がある。
2人が使うパターは、一見「VERSA JAILBIRD パター」(2014年)のように見える。しかしインサートをよく見てみると、同社が2017年に発売した「オー・ワークス」シリーズに搭載されていた「マイクロヒンジ・インサート」が装着されている。2人がレプリカの製作を依頼した理由は、シリーズが異なるヘッドとインサートの組み合わせを望んだためだと推測される。レプリカモデルは市販されていないため中古では見つからない。
「VERSA」シリーズパターは白と黒が交互に配置されたデザインで、ターゲット方向にアライメントしやすい。発売から9年が経過しているため在庫はかなり少なく、「VERSA JAILBIRD」は入手困難な状況だ。見つけたとしても「VERSA」シリーズは白い部分の塗装が欠けていることが多いので、消耗の程度は要確認。ことし2月には「ホワイト・ホット VERSA」シリーズが新たに発売され、「JAILBIRD」と同じヘッド形状はラインアップされていないものの、アライメントしやすさを受け継いでおり、似たようなヘッドを探すことはできる。各モデル中古では2万円台中盤からが相場だ。
二人が使うような中尺モデルを選ぶ際は、グリップの長さとヘッドの重さに注意してほしい。二人が使ったパターのソールには約20gの鉛が貼られており、17インチと通常より長いグリップを装着した中尺に仕上げている(ファウラーは全米オープンの前にグリップを1/8インチ削っていた)。ただし2人ともアームロックの握り方ではなく、通常通りの握り方でグリップエンドを余らせている。ヘッドに鉛を貼って重くすると、ゆっくりとストロークしやすくなるが、ヘッドの重さでテークバックの始動が動かしにくく感じる。そこで長めのグリップを入れることで手元側にも重量が生まれ、通常通り握ることでカウンターバランスの効果を強く感じさせてテークバックしやすくしているのだ。
中古では35インチを長さの超えるパターは数が少ないが、36インチのオデッセイ「タンク クルーザー パター #1」(2014年)や36.5インチであればテーラーメイド「スパイダー BLADE12 パター カウンターバランス」(2013年)を見つけることが出来た。どちらも1万円以下で手に入る。カウンターバランス設計はテークバックの始動がしやすくなるため、グリーン上でプレッシャーに弱いという方におすすめだ。ファウラーやクラークと同じモデルは手に入らないが、同じコンセプトのパターを探して試してみてはいかがだろう。