山下も穴井も岩田も… いったい何がいいのか「2ボールブレード」 中古で買っておいて損はない
ことしの国内ツアーでじわじわと勝利を積み重ねているのがオデッセイの「2ボールブレード」パターだ。男女ツアー問わず、勝っている選手が使っているから、気になっている方も多いことだろう。
「2ボールブレード」という形状の初代は、2003年に発売された「ホワイト・ホット」。岩田寛が19年前から長年使い続けているモデルで、岩田もそのパターを使って今季は中日クラウンズで優勝している。その後の歴史をたどると、全盛期のアニカ・ソレンスタムが愛用した「DFX」(2003年)、「ホワイト・スチール」(2003年)、片岡尚之が使用する「ホワイト・ホット XG」(2007年)、「ブラック・シリーズ ツアーデザイン」(2010年)、「ホワイト・アイス」(2010年)、「ストローク・ラボ」(2016年)、「オー・ワークス」(2018年)「トウアップ アイ」(2018年)、そして「ホワイト ホットOG」(2022年)と、約20年間で計10モデルが発売された。
2022年モデルの「ホワイト・ホット OG 2ボールブレード」は、国内女子ツアーの山下美夢有と穴井詩が使用しており、2人合わせて今季5勝(山下は今季4勝のうち1勝は違うパター)を飾っている。新品はマークダウンが始まっており、中古価格は1万円台中盤からとお手頃になってきた。
「2ボールブレード」は、クランクネックというブレードタイプに多いネック形状を採用している。シャフトがそのままヘッドに装着されているマレット型の「2ボール」に比べて、ネックを曲げることで微調整ができるのがうれしいポイントだ。元々は、ショートゲーム専門のコーチ、デーブ・ペルツ氏が1980年代に考案した「ペルツパター」からヒントを得て開発されている。「ペルツパター」は、ゴルフボールを半分に切ったような球体をフェース後方に3つ並べたモデル。構えてみるとT字に見えるため、マレット型の「2ボール」よりも「2ボールブレード」に似ている。
歴代の10モデルは、トウが上を向くストロークバランスの「トウアップ アイ」を除く9モデルでほぼ同じ形状をしており、シャフトとフェースインサートなどが異なる。そのため、モデルによって打感や打音、そしてボールの転がりに違いが出る(「ブラック・シリーズ ツアーデザイン」は、軟鉄削り出しモデルのためインサートは装着されていない)。
名器として名高い「2ボールブレード」は現状、2022年モデル以外は中古で探すのは難しく、程度が良い物はプレミアがついている場合がある。消耗の程度に目をつぶれば、1万円以下で手に入るだろう。今後発売されるオデッセイの新作に「2ボールブレード」の形状がラインアップされる保証は無い。最新モデルをとりあえず手に入れるか、辛抱強く中古で過去モデルを探すか…実に悩ましい。確実に言えるのは、「買っておいて損はしないパター」ということだ。(文・田島基晴)