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密かに気になる「ミニドライバー」…そうかっ!中古という手があったか

2024/06/21 20:00
いち早くミニドライバーを投入したトミー・フリートウッド(イングランド)

ドライバーでルール限界(460cc)の大型ヘッドがどうにもニガテ…というゴルファーは実は少なくない。スプーン代わりの選択肢とはいえ、超一流のプロが最近はミニドライバーを入れているとも聞く。ミニドラが実は気になっていたそこのあなたは、結構な悩みを抱えているか、生粋のギアマニア。まずは中古で探してみようじゃないか。

ブラッシーにフランケンウッド? ミニなドライバーの歴史

ミニドライバーというネーミングはさておき、1Wよりも小さいクラブの表現としてパーシモン時代から2W(ブラッシー)は存在していた。1990年の「全英オープン」でニック・ファルド(イングランド)がテーラーメイド「ツアーブラッシー」を積極的に使用して優勝。このクラブは1980年代前半に発売されたメタルドライバー「バーナー ツアープリファード」というシリーズのバリエーションだった。

“ミニドラっぽい”のが話題になった。左からX HOT、X2 HOT、エアロバーナー

その後、2013年「マスターズ」でフィル・ミケルソンがフランケンウッドと呼ばれる200ccのヘッドサイズ、ロフト角は12から13度程度のクラブが注目された。こちらはプロトタイプだったが、キャロウェイから「X HOT PRO DEEPフェアウェイウッド」(2013年)、「X2 HOT PRO DEEPフェアウェイウッド」という“ミニドライバーっぽいもの”が発売された。その後、テーラーメイドから「SLDR Sミニドライバー」(2014年)「エアロバーナーミニドライバー」(2015年)がリリースされた。

「ミニドライバー」の本格的な流通はいつ?

当時はまだヘッドサイズが220㏄程度だったが、“これぞミニドライバー”というサイズ感になったのは「オリジナルワン ミニドライバー」(2019年)で、サイズは275㏄に。「300ミニドライバー」(2021年)、「BRNR ミニドライバー」(2023年)そして日本未発売だが2024年モデルの「BRNR ミニドライバー」はヘッドサイズ300cc前後。ロッディオの385cc「RODDIO COMPACT ドライバー」(2018年)、キャスコからも360ccの「K2Kミニドライバー」が発売されている。

左上から時計回りに、オリジナルワン、300ミニドライバー、RODDIO COMPACT、BRNRミニドライバ―

そしてことし、PGAツアーではキャロウェイ「パラダイムAiスモークTI340ミニドライバー」や「パラダイムAiスモークDUW」、タイトリストの「TSR 2W」等が発見されており“ブーム”の再来が起きている。

ミニドライバーのメリットは

通常のドライバーよりもヘッド体積が小さく、短いぶん、最大飛距離は落ちるだろう。ただし、ボールに当てやすくはあり平均飛距離は安定する可能性がある。ハードヒッターがティショットをコントロールしたい際にも武器になるはずだ。

また、PGAツアー選手はフェアウェイウッドとしても使用。100切りがテーマのゴルファーもロフト角、シャフト選びを間違えなければ武器になるかもしれない。可変スリーブ装着モデルなら、フェース角をクローズ(フックフェース)気味にすることで、さらにボールをつかまえやすいはずだ。

あれ、中古価格はミニじゃない…

さて、中古ショップをのぞいてみる。とにかく飛ぶスプーン(3W)として有名だった「X HOT PRO DEEPフェアウェイウッド」、「X2 HOT PRO DEEPフェアウェイウッド」などは、7000円前後で見つけられた。ところが、テーラーメイド「SLDR Sミニドライバー」や「エアロバーナーミニドライバー」は数量が少なく、中古ショップではレア。どちらも1万円台後半でオークションサイトにあった。同モデルの“ミニじゃない”ドライバーに比べると1.5倍ほど高い。

オリジナルワン ミニドライバー」は3万円台前半。「300ミニドライバー」は4万円台前半。「BRNR ミニドライバー」は5万円以上! ティアップして打つことを前提にしているロッディオ「RODDIO COMPACT ドライバー」を3万円弱で見つけられたが、こちらはかなりレアだ。

小さ目な大型ヘッド&短尺シャフトでつくってみた

筆者がミニドライバー用に選んだのはタイトリスト905R(2006年)テンプラ傷が目立つため2000円で購入できた

ミニドライバーの価格は中古でも決してミニではないというのが現状だ。数が少ないのもその理由のひとつ。そうであれば、シャフトを短くカットして、ほんの少し小さい430㏄程度のドライバーと合わせるのも手かもしれない。

43インチ、44インチくらいのシャフトが有効。弾道は低くなるのでロフト角は大きめのものを選んで欲しい。筆者は43.5インチにシャフトをカットして試してみた。2008年以降のドライバーヘッドなら、問題なく使えるだろう。(文・田島基晴)

■ 田島基晴 プロフィール

1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。

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