もうバンカーなんてへっちゃら! “脱出特化型ウェッジ” を中古でリサーチ
“バンカーが好き“というアマチュアゴルファーは少ない。「入れるな」と言われても、ゴルフの神様に操られているかのように吸い込まれるのがバンカー。今回はその砂地からの脱出に長けた中古ウェッジを探してみた。
バンカーから脱出できない理由を分析
レッスンプロ曰く、バンカーが苦手な人は砂の上から球を高く上げられないのではなく、距離を出せない、つまり遠くに飛ばせないケースがほとんどだという。しかし、バンカー嫌いのアマチュアほど、高い球が出るロフト角の大きいウェッジを選びがち。本来なら距離を出しやすいウェッジを選ぶべきなのに…。また、バンカーではスタンスもフェースもオープンにするのがセオリーだが、練習量の少ないアマチュアにはハードルが高い。ならば、フェースを開かなくてもバンカーから出しやすいウェッジを選べばいいのだ。
「やさしいウェッジ」のキーワードはハイバウンスとワイドソール。通常のバンカーショットならバウンス角が10度以上あれば、フェースを開かなくても脱出できるだろう。前述したように、高さでなく距離が足りず脱出できないことが多いなら、ロフト角はツアープロらに人気の58度ではなく、56度に見直すことをおすすめしたい。筆者のオススメは54度。砂をたくさん飛ばして距離を稼げる。
アマチュア目線のお助けウェッジを選ぼう
タイトリストのボーケイシリーズのような各社のアスリートモデルは確かに人気が根強く、なにせカッコいい。しかし、そういったウェッジはプロや上級者のテクニックを活かすための機能が優先されており、“お助け要素”は少なめだ。バンカーショットが苦手なら、正々堂々アマチュア目線で作られているウェッジを選ぶべきだ。
近年の話題商品がグローブライド「オノフ フロッグス リープ2」(2021年)。超ワイドソールに加え、ソールの真ん中をヘコませたダブルバウンスでなんともやさしい。1万円台前半で見つかるだろう。ロフトバリエーションがさらにあれば最高だ。
フォーティーン「DJ-6」(2024年)もおすすめできる。こちらもソールの真ん中がヘコんでいるダブルバウンス。アスリートモデルに見える形状もうれしい。ロフトバリエーションも豊富にある。1万円台中盤から後半が相場だ。
クリーブランドもお助けウェッジを数多く出している。「CFX」(2019年)は、ワイドソール、ハイバウンスとセオリー通りのお助け要素があり、価格も手頃。7000円前後で見つかる。もっと簡単なモデルというと「スマートソール 3 TYPE-S」(2017年)はどうだろう。超ワイドな3段ソールに、見た目から安心感が高まる。6000円前後で見つけたい。
どうしても“ボーケイ”を使いたいというアナタに
バンカーは苦手、それでもやっぱりボーケイを使いたいというなら、同シリーズの豊富なグラインド(ソール形状)バリエーションを利用したい。ワイドソール、ハイバウンスモデルは「Kグラインド」。タイトリストのWEBサイトでも「究極のバンカークラブ」と表記してある。
ボーケイがグラインドバリエーションを製品に表記し始めたのは「SM5」(2014年)から。最新の「SM10」(2024年)でも、もちろん選べる。「SM5」は5000円前後、「SM10」は1万円台中盤から見つかる。しかしながら、Kグラインドにはロフト角が58度、60度と大きめのモデルしかラインアップされていない。日本限定の「ボーケイフォージド」には56度もあるから選択肢に入れたい。最新モデルの「ボーケイデザインフォージド」(2023年)は1万円台後半から見つかるだろう。
日本にはバンカー練習ができる練習場やゴルフコースが少なく、実際のラウンドでなんとなく上達を待つのがアマチュアの現状だろう。もちろん初心者でも、アスリート好みのソールがハマっている様子を目にしたことがあるが、まずは多くのモデルから選んで試行錯誤するしかない。健闘を祈る。(文・田島基晴)
■ 田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。