「軽症→EYE2、中等症→DW-123、重症→R55…」ギアマニア厳選!バンカーの悩み別“中古ウェッジリスト”
グリーンの方が大きいはずなのに、ボールはバンカーへと吸い込まれていく。それも、イヤだ、イヤだと思えば思うほどに…。今回はバンカーショットを攻略するウェッジを紹介。悩みの度合い、重症度に応じた中古モデルをコスパよく探してみた。
軽症の場合:見た目は譲れない!ツアーモデルの最強ソールで解決
見た目はアスリート風の本格派ウェッジでそろえたいが、バンカーショットだけは少し楽をしたいというゴルファーは、王道ブランドのバンカー特化型ソールが狙い目だ。バウンスが勝手に仕事をしてくれるモデルを選べばいい。
ツアープロも愛用するタイトリストの「ボーケイ」シリーズのKグラインドは、バウンス効果が最も高い。丸みを帯びた幅広ソールが特徴で、フェースを開かず、そのまま“ドスン”と叩きつけるだけで、バウンスが砂を爆発させてボールをかき出してくれる。「SM8」(2020年)や「SM9」(2022年)は1万円を切るようにもなってきた。「K」の刻印を探してみてほしい。バウンス角は大きめ、ロフト角は無理をしないこと。前に飛ばせる56度がオススメだ。
ピン「GLIDE」シリーズの「EYE 2(アイ2)ソール」は、バンカーでフェースを開くこと自体が苦手な人に合う。名作「EYE2」の形状を復刻したこのモデルは、独特の凹みがあるソールが砂への潜り込みを防ぎ、スクエアに振るだけでボールを拾い上げてくれる。「GLIDE 3.0」(2019年)や「4.0」(2022年)の中古は1万円以下。筆者のオススメはズバリ、「EYE2 GORGE」(2013年)、もしくは「EYE2 XG」(2011年)。レアだが5000円前後で見かける。アプローチが苦手な人にも推薦したい。
中等症:キャビティ&ワイドソールが狙い目
ウェッジにアイアンのやさしさが欲しいゴルファーは、ミスヒットに強く、オートマチック系のモデルを手に取ろう。打点がズレても砂に当たり負けしない安心感もある。
フォーティーン「DJ」シリーズは、アマチュア向けウェッジの金字塔。独自の“くぼみソール”とワイドソール設計により、ダフり気味に入ってもソールが砂の上を滑ってくれる。「道具に頼って何が悪い」と言わんばかりの圧倒的なやさしさと、洗練されたデザインの両立が見事だ。最新モデル「DJ-6」(2023年)も、1万円を切るものが増えてきた。
クリーブランド「CBX」(2017年)、「CVX ZIPCORE」(2022年)は、ツアーモデル「RTX」の打感と見た目を残しつつ、バックフェースをキャビティにした。打点が手前にズレて、ザックリしても、独自のVソール(またはSソール)と深いキャビティ構造が、ヘッドスピードを落とさずに球を強引に砂から出してくれる。こちらも構えたらツアー仕様に感じるのに、超ワイドソールというギャップがありがたい。
キャスコ「ドルフィンウェッジ DW-118」(2018年)、「DW-123」(2023年)は独特のフィン(ヒレ)形状をしたソールが、砂に“潜らせない、刺さらせない”を実現した。ソールが滑って抜けてくれるため、ホームランを恐れることなく思い切って振れる。バックに忍ばせている上級者が意外といて、アプローチでも活躍してくれる。中古市場でも常に上位に君臨するロングセラーだ。
3モデルともバンカーに悩んでいる雰囲気を微塵も感じさせない形状で、同伴者に付け入るスキを与えない。気持ちで負けないことが大切だ。
ほぼ末期:絶対に砂から出す最終兵器
何をやってもバンカーから出ない、イップス気味でクラブを振ることすら怖いという末期症状のあなた。見た目を気にしている場合ではない。プライドを捨て、物理的アプローチで砂を攻略する最終兵器を導入しよう。
オノフ「LABOSPEC FROG’S LEAP-II(フロッグス リープ)」(2018年)は、カエルのキャラクターが愛らしいが、性能は超ガチ。「カエルジャンプ」の名の通り、超超ワイドなツインカットソールが砂を大きく爆破し、ポンッとボールを浮かせてくれる。手前から滑らせるだけでバンカーから出せる究極の「潜らない」ウェッジだ。
クリーブランド「スマートソール」(2017年)は、もはやウェッジというより“砂爆破専用スタンプ”。超極太ソールと超深重心設計により、ボールの手前をアバウトに叩くだけで砂ごとボールを弾き飛ばす。バンカーショットの概念そのものを覆してくれる救世主である。5000円前後から見つかる。
プロギア「R55」(2010年)は、ロフトが55度に設定された独特の形状。パターに近い感覚で構えられ、ズッシリ重いヘッドと超ワイドソールが特徴だ。「パターのように振れば、重いヘッドが勝手に砂ごとボールを連れ出してくれる」という。中古なら数千円台で手に入るのも魅力だ。
お助けウェッジもスペック選択が重要
ヘッドにお助け要素が満載だからと言って、手に取ればいいというものでもない。シャフトはアイアンセットと同じくらいの重量、もしくは少し重めにしよう。軟らかいスペックの方が、打ち急ぎを防いでくれるのでオススメだ。
そして大切なのはロフト角。ロフトがあればあるほど、いいというわけではない。「ロフトを大きくして、思い切り砂に叩きつければボールは上がる」と信じる人が多いが、思い切り叩きつけられる勇気があれば、そもそもバンカーショットを克服しているだろう。砂もボールも力いっぱい飛ばせばイイだけなら、バンカーは簡単だ。力まなくても、出せることを覚えよう。
キャディバッグに収まる14本のうちの1本をバンカー専用にするには勇気がいる。しかし、この合理的な割り切りが、あなたのスコアを改善してくれるはずだ。今週末は中古ショップのウェッジコーナーで自分に合った“処方箋”を探してみてはいかがだろうか。(文・田島基晴)
■ 田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。