脱力とライ角意識で正しい握り方をマスター!
自然なグリップを生む絶対外せない2つのポイント
多くのアマチュアを教えてきた経験から言うと、不自然なグリップをしている人はなかなか上達しないものです。そして、およそ8割のアマチュアはどこか不自然なグリップをしています。グリップはクラブと体をつなぎ、スイングをつかさどる大切な接点です。その接点が不自然ならば、スイングも必ず不自然になると断言できます。自然なグリップなくして、美しいスイングはあり得ないのです。
しかし、自然なグリップとは一体何なのか?指がクラブにどう絡むとか、左手のナックルがどう見えるかといった、グリップの細かい説明に入る前に、自然なグリップとはこういうものなのだという絶対に外せないポイントを頭に入れておいて欲しいのです。それを理解できれば何が自然で何が不自然か、今の自分はどれだけ不自然かも自ずと分かってくるはずです。
ポイント1:腕の脱力ポジションで握る
ゴルフスイングでまず求めるべきことは何でしょうか?それは再現性の高さです。毎回同じようにクラブが振れて、ボールが打てること。そのためには、毎回同じように腕が動くことが肝心です。つまり、腕を同じように動かしやすいポジションで握るのが、一つ目のポイントです。
まずは前傾姿勢を作ってみましょう。前傾姿勢の作り方は、まっすぐ立った状態から、足の付け根を中心に上体を前に傾け、最後に軽く膝を曲げた姿勢になります。そして腕をダランと脱力すると腕は真下に垂れますよね。これがグリップを決める基本のポジションです。
試しに、腕を脱力したまま左右に振ってみてください。力を抜いていれば、あれこれ考えなくても、体を揺するだけで腕はいつも同じところを通るはずです。一方、腕が真下に垂れてなくて、体から近かったり離れたりしていれば、腕に力が入りますし、同じところを通りにくくなります。
腕を脱力すると手の甲は自然とやや正面を向く
腕を脱力したときの手の甲の向きにも注目してください。手の甲はやや正面方向を向きます。これが自然なグリップの基本となります。従って、左手の甲がターゲット方向を向いていたり、右手の甲が地面方向を向いていたりと、不自然な状態でグリップしている場合には、スイングの再現性をキープするのが難しくなります。
ポイント2:クラブの座りに合わせて握る
クラブの座りに沿って握るとはどういうことでしょうか?その前に、ライ角の説明をいたしましょう。ライ角とは、ヘッドのソール(底面部分)を接地したときの、地面とシャフトの角度です。この角度で握るのがグリップの基本になります。
ポイント1と合わせて考えると、どのように握ると自然なのかがわかります。腕は脱力してダランと垂直に。そして、クラブはライ角に従って、地面に対しシャフトの角度が決まっています。両者を合わせると、グリップ部分は写真のように手のひらを斜めに横切るようになります。
まずは左手の握り方。小指は付け根、人差し指は指先で握る
そして、手のひらに接する部分を中心に、握りこんでいくと、クラブの座りに従った自然なグリップが出来上がります。小指側のグリップ部分は指の付け根に近く、人差し指に向かうに従って、グリップ部分を指先で握る形になることに注目してください。
指の付け根だけで握るのはNG
クラブの座りを無視して握る人も見かけます。たとえば、手のひらを斜めに横切らず、直行している人もいます。このように握ると、腕を下ろした時に手首が不自然な形になります。また、腕が真下に垂れない状態で握ってしまっている場合には、クラブの設計どおりに握れていません。