NGなグリップがなんと8割!アマチュアのグリップ調査白書
スイングを直していくにあたり、まずグリップから改善してみよう
2013年のPGAティーチングプロアワード最優秀賞に輝き、これまで数多くのアマチュアをレッスンしてきた岩垣貴栄プロいわく、正しいスイングを導く起点はグリップだが、アマチュアのグリップで合格点を付けられる人は極めて少ないという。このショッキングな話は、はたして本当なのか?その真偽を確かめるため、岩垣プロとともに練習場で突撃取材を敢行した。
岩垣プロの話の通り、練習場で目にするアマチュアの多くはことごとくグリップがNGでプロの経験を裏付けるような形に・・・。老若男女の偏りなく集う練習場で、プロがパッと見た限りでも、プレーヤー自身が理想としている弾道とグリップが一致している“合格グリップ”はわずか2割程度と驚くべき結果となった。
しかし取材をしてみてさらに驚いたことは、突然のグリップチェックを敬遠するかと思いきや、皆さん意外なほど取材に前向き。「自分のグリップはこれでいいのか・・・?」という密かな不安があったことを痛感した。では、一体どんなところがダメだったのか?撮影に協力してくださった方を例に上げても、いろんなタイプが出てくる出てくる。では早速、いくつかの例を紹介しよう。
ケース1:ウィークグリップが引き起こすスライス&飛ばない病
球が掴まらず、飛距離が伸びないというAさんは、アマチュアの多くに見られるウィークグリップ。左手の親指がシャフトと平行な状態でセンターにあり、ボールが掴まらなくて当然です。また、強く握っているので、ヘッドスピードが上がりません。
【こうすれば合格!】
左手の人差し指と中指の2ナックルが自分から見えて、左手の親指はシャフトのセンターよりも右を指すように。また、クラブを垂直に立てて持って、滑り落ちない程度の力加減で握るようにしましょう。
ケース2:左手の過度なフックグリップはスライスにもなる
左手のグリップが、2ナックル以上見えてしまうほど、過度のフックグリップになっています。左手の腕と甲の角度が大きくなることでスイング中にフェースが開いてしまいます。その結果、球がつかまらず高く上がりやすくなります。また、左手の手のひらで握っているので、ヘッドがターンしづらく、ヘッドスピードが上がりにくくなります。
【こうすれば合格!】
左手の過度のフックグリップを2ナックルが見えるニュートラルの位置にすること。そして、左手はパームで握らず、グリップを人差し指の先から小指の付け根へ斜めに横切るようにあてがい、指先で握りましょう。
ケース3:フック球が多いのはハンドアップが原因
テンフィンガーグリップ自体は悪くありませんが、問題はハンドアップによって、後方から見た時に、腕とクラブに角度がつかない点です。手首が回って、捻じれやすくなるので、フックが強くなります。テンフィンガーグリップは、右手を強く使うためのグリップなので、ハンドアップが加わると、手首が強く捻じれやすくチーピンにも悩まされます。
【こうすれば合格!】
アイアンではさほどハンドアップになっていませんが、ドライバーはもっとハンドダウンに。腕を脱力して、地面に垂直になるようにしてください。テンフィンガーはそのままでもOKです。
ケース4:右手が原因のフックとフライングエルボーによるスライスで球が散らかる
左手はOKですが、右手のひらが上を向く形のフックグリップになっています。スイング軌道がフラットになり、ライ角が大きくなるため、フックしやすいのですが、Dさんの場合、トップで肘が開きフライングエルボーになるので、そこでフェースが開き、球が掴まらない結果になっています。
【こうすれば合格!】
右手の人差し指と親指の作るY字を、右の首筋あたりを指すようにしましょう。これでグリップはOK。あとは、アドレス時の両肘の間隔をキープするようにテークバックすれば、フライングエルボーによるフェースの開きは解消しますよ。
ケース5:右手の人差し指が伸びているとフェースの向きを感じられない
ウィークグリップになって、右手がかぶることによって、右肘がまっすぐ伸びたアドレスになっています。右肘がたたみにくく、アウトサイドインのスイングになり、ボールが掴まりにくくなっています。右手の人差指がシャフトと平行に伸びて、フェース向きを感じにくい状態です。
【こうすれば合格!】
右手の人差し指と親指のY字が、右首筋を指すように。こうすると、自然に右肘が伸びきらず、ゆとりができ、テークバックで右肘をたたみやすくなります。また、右手の人差し指は伸ばさず、グリップを指先で引っ掛けるように曲げて、親指と人差指の間をキュッと締めY字を作りましょう。この右手のY字でスイング中のクラブの位置、フェース向きを感じることができます。