このコースで真の80台!

アプローチでもオーバースイングですが…… 美浦ゴルフ倶楽部(前編)

2016/02/12 09:15

難易度ランキングTOP5に挑む最後のコース

美浦ゴルフ倶楽部に挑むN村の調子は上向き。難コースで積み重ねた教訓を、そろそろ生かしたいところだ

(前回までのあらすじ)
スコア90台で伸び悩むゴルファーが、その殻を破るためにはどうしたらいいか――。同じ悩みを抱えるGDO編集部員・N村(40代・独身)はその提案の1つとして、ただの80台ではなく、上級者からも認めてもらえるような難コースでスコア80台を目指すことになった。今回、向かった先は、名匠ロバート・トレント・ジョーンズJr.が手掛けた、美浦ゴルフ倶楽部。6569ヤードという全長の長さもさることながら、戦略性の高いレイアウト、起伏に富んだグリーンが多くの上級者を悩ませていることは次のデータが物語る。

※2:2014年8月1日~2015年7月31日

GDOが選定した難易度ランキング(※1)では2位に入り、直近では国内男子ツアー『HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP in 霞ヶ浦』(2013年、2014年)など数々のプロトーナメントも開催されてきた。

ちなみに、ほかにランキング入りされるホウライカントリー倶楽部ゴルフ5カントリー オークビレッヂ宍戸ヒルズカントリークラブ(西コース)、アザレアカントリークラブの4つのコースは、N村がすでに打ちのめされている。

(※1)累計60万人以上のゴルファーが登録するGDOスコア管理の中から、最近1年間(※2)で平均スコアが89以下の登録者を対象とし、平均スコア90以上を叩いているコースを抽出。さらにスコア登録枚数20枚以上、GDOが提携する関東近郊ゴルフ場という条件を加えてランキングを作成。

2番ホールのロングホールでは、打ち下ろしとはいえ、ティショットで260ヤードをかっ飛ばす。N村が残り距離表示を指差してドヤ顔

ミッションであるスコア80台は未達とはいえ、前回アザレアカントリークラブで91を出し、あと一歩まで迫っている。N村の調子が上向きなのは確かなのだが、そんな自信を美浦ゴルフ倶楽部は初っ端から打ち砕く。1番ホールのパー4で7を叩くと、4番ホールでも2回目のトリプルボギーと出鼻を挫かれる。それでもこの日のN村は、自慢(!?)のオーバースイングのタイミングが合っていたせいか、ドライバーは好調! 2番ホールでは、260ヤードのロングドライブも。ティショットを軸にスコアを組み立て、なんとか局面打開をはかるのだった。

オーバーを怖がるあまり、アプローチでグリーンまで届かせることすらできない。グリーン回りのミスが増え、N村のイライラもピークに

だがホールを重ねるごとに、グリーン回りで洗礼を浴びることに。「今日はグリーンの端にピンが切られることが多いですね」とは、キャディさんによる証言。しかも、グリーン回りが砲台形状だったり、グリーンそのものがすり鉢をひっくり返したような(中央部が一番高い)形状が多いため、グリーンからこぼれて傷口を広げることになりやすい。トーナメント仕様と見紛うかのようなシビアなピンポジションが続き、神経をすり減らしていくN村。そしてピンをオーバーする恐怖感から、アプローチをショートして長い距離のパットを残すシーンが増えていった。

N村のデータから見えた、苦手ホールの傾向

グリーンの微妙なアンジュレーションに手を焼く。1メートル前後の短いパットもこの通り

アプローチの不調は、パットにまで伝染。INコースに入ると、グリーンに乗らない→アプローチ大ショート→パットの距離が残る→1パット目大ショート→3パットor4パットという悪循環。グリーン回りでのミスが響き、スコアは102。パット数も40を超えた。

「これまでショートゲームを練習してこなかったからな」と、N村はため息。この期に及んで、アプローチやパターの重要性に気付くとは。ゴルファーにとっての永遠のテーマを克服せずして、美浦ゴルフ倶楽部の攻略はあり得ない。

距離の長いパー4が苦手なのは、N村に限らずアベレージゴルファーに共通するはずだ。パー5の平均スコアとさほど変わらない……

ショートゲームと並んで、N村が悔んだのはやはり出足での躓きである。最初の4ホールでの2つのトリプルボギー。それらに共通するのがパー4、そして400ヤードを越えるということだ。

アベレージゴルファーの中でも、400ヤード以上のパー4を苦手とするケースがほとんどだろう。だが、左の表を見る限り、N村は特に顕著だと言える。300ヤード級のホールと比較すると平均0.7打違い、パー5の平均値と0.3打しか変わらないのだ。このデータを知ったN村は、「長いミドルホールをボギー以下でおさめられれば、ずいぶん違うのになあ」とポツリ。

パートナーは、学生時代から知る癸生川プロ。得意クラブはSW。ショットの多彩さを武器とする

N村が自身のスコアデータを見て、ブツブツと分析している声が聞こえたのだろう。

「長いミドルホールは、誰だって嫌ですからね。きちんとマネジメントして、80台を出しましょう!」

知らぬ間に、N村の目の前には、今回バックアップしてくれるプロの姿があった。彼の名前は癸生川(けぶかわ)喜弘プロ。2006年にプロ入りし、額賀辰徳竹谷佳孝らと同期でツアープレーヤーとしても活躍。N村とは学生時代に同じゴルフ場で練習していたという縁。しばらく疎遠になっていたが、昨年、PRGR RS CUP2015に出場していた癸生川プロと再会。QT(クォリファイングトーナメント)など美浦ゴルフ倶楽部でのプレー経験が豊富で、コースを熟知していることから白羽の矢を立てたのだった。

グリーン回りでは、低い弾道でピンへ寄せる≫
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