プロの目を盗め!

つま先上がりの“目”を盗め! 田村尚之編

2017/03/21 12:00

田村流つま先上がり攻略術を伝授!

視線計測tobii Pro(トビー・プロ)グラス2を使い、田村尚之プロの目線を検証する本シリーズ。今回は傾斜レッスン、つま先上がりのライでの目線を追ってみた。グリーンエッジまで残り110~120yd、つま先上がりのきつい右ラフからの状況。そこから上手くグリーンオンさせるために、百戦錬磨の“元最強アマ”はどのように攻略しているのか!?

セオリーと真逆! 狙いは目標より左サイド!?

つま先上がりは、目標より右を向いてショットをするのがセオリー。理由は、足元よりボールが上にあるためスイングがフラット(横振り)になり、インパクトでヘッドが返りやすく、必然的にボールが左へ飛びやすくなるからだ。だが、tobii Pro(トビー・プロ)グラス2のムービーを見てみると、田村プロは真逆のグリーン左サイドを向いていることが分かる。

目標より“右”ではなく“左”狙い!

(以下、田村尚之プロの解説)
つま先上がりでは、目標より右を向いて打ったりはしません。むしろ左を向きます。そのほうがリスクが小さいからです。この状況でまず避けたいのが、強く引っかけるミス。ヒールが突っかかればフェースが急激にターンしてしまい、チョロったりフックして思わぬ方向に飛んでいってしまいます。

斜面とケンカさせるのはNG!

つま先上がりに限らずどんな斜面でも、自分の考え方はいかに平地と同じように振り抜ける態勢を取れるかにあります。傾斜では常に斜面とケンカしないことを考えています。前述したように、右を向けばよりクラブが突っかかってしまうため、逆に左を向くことでつま先上がりの傾斜を緩和させるのです。

「スライスすればラッキー♪」くらいに考える

この状況でのマネジメントとしては、グリーンの左サイドにまっすぐ飛んでいけばOKとします。無理にグリーンを狙ってミスショットしてしまうより、なるべくグリーン側までボールを運ぶことを第一に考えています。意識せず少しスライスがかかって、グリーンにのればラッキーという感覚ですね。

フェースを“ややオープン”にセット!

フェース面がかぶってしまわないように、アドレスでややオープンにセットしておくことも重要です。フェースを開いて構えることで、なるべく芝に突っかからない状況を作っておくのです。あとはスタンスの方向に振り抜くだけ。つま先上がりでは、少し目標より左サイドを狙い、フェースをややオープンに。この2つを意識すれば、グリーンをとらえる確率もグーンと高くなりますよ。

つま先上がり、プロ目線をおさらい

【ここを盗め!】
・目標より左サイドを狙う
・フェースをややオープンに構える

取材協力/ゴルフ倶楽部成田ハイツリートビー・テクノロジー株式会社

【解説】田村尚之
1964年生まれ。サラリーマンを続けながら、独自のゴルフ理論を構築し、トップアマとして活躍。2013年にプロテストに合格し、2016年のシニアツアー「富士フイルムシニアチャンピオンシップ」でプロ初勝利を果たす