プロの目を盗め!

打ち上げアプローチの“目”を盗め! 田村尚之編

2017/04/18 17:00

アプローチは“的当てゲーム”!?

「アプローチは基本“的当てゲーム”です」――元最強アマ・田村尚之プロの言葉だ。田村プロの考え方は常にシンプル。アプローチに対しても、“ピンの根元近く”にフワリと落とすのみという。特に打ち上げの状況では、奥に大きく転がる心配が少ないので、果敢に狙えるシチュエーションとのこと。今回も視線計測tobii Pro(トビー・プロ)グラス2を使い、プロの目線を検証してみた。

“ピン根元”を狙うのみ!

田村プロの目線を追うと、ピンをデッドに狙っているのが分かる。ピン位置はグリーンやや奥。落とし所はピン手前1mあたりを、視線が行ったり来たりしている。

上げて落とすほうがシンプル!

(以下、田村尚之プロの解説)
アプローチでは基本的に、ピンの根元に落とすことしか考えていません。落とし所を気にするのは、落ちてからランが出てしまう打ち下ろしの状況のみ。基本的にすべて上げて落とす考え方のほうが、途中でどのくらい転がるか、どんな風に転がって切れるのか、といった余計な計算をしなくて済むからです。

“止める”ではなく、“止まる”でOK!

ピンの根元を狙うといっても、スピンをかけて技術を使ってボールを“止める”のではなく、高さを使って自然に“止まる”イメージです。プロだからといって、あえて難しいことはしません。常にやさしいほうに舵を切っているのです。

ボールを打つことより、ソールを滑らせる!!

打ち上げでも打ち下ろしでも、アプローチのスイングで第一に考えていることは、ソールを滑らせること。アマチュアはショートゲームになるほど、正確にボールのある一点にヘッドを落とすことにとらわれがちです。

振り子のイメージで構える

クラブはあくまでも振り子のように、ヘッドを左右に振り抜けられればいいのです。傾斜とシャフトができるだけ垂直となるように構えることで、傾斜とケンカせずにソールを地面に滑らせることが可能です。なるべくヘッドを平地と同じような入射角で入れるように心がけましょう。

ハンドファーストは適さない

実はそんなにシビアな技術は必要ありません。私の場合、クラブのバウンスを使ってソールが滑ってくれればOKとしています。アプローチとなると決まってハンドファーストに構える人が多いですが、これではソールを滑らせにくくしてしまいますよ。

打ち上げアプローチ、プロ目線をおさらい

【ここを盗め!】
・狙いはピンデッドに
・ボールは上げて落として“止まる”
・ソールを滑らせる構えが基本

取材協力/ゴルフ倶楽部成田ハイツリートビー・テクノロジー株式会社

【解説】田村尚之
1964年生まれ。サラリーマンを続けながら、独自のゴルフ理論を構築し、トップアマとして活躍。2013年にプロテストに合格し、2016年のシニアツアー「富士フイルムシニアチャンピオンシップ」でプロ初勝利を果たす