ベストスコアを狙う日の昼食は何が正解?
ラウンド中の昼ごはん、何を食べていますか? 楽しむためのゴルフをする場合は、生姜焼き定食やラーメンなど食べたいものをビールと一緒に、ということが多いと思います。午前中の失敗談を語りながら美味しいものを食べてストレス解消し、満足のいく時間を過ごすことは大切です。
しかし、ほろ酔い加減で重いお腹では、午後イチのティショットの結果はおおよそ見えています。食べ過ぎにより体を回転しづらくなり、下半身が止まることでひっかけのミスが増えやすくなります。胃に食べ物が入ると呼吸が浅くなりやすく、力みや緊張の原因にもなります。普段から食べ過ぎは百害あって一利なしですが、ラウンド中はスコアに直結するため、ベストスコアを狙っている場合などは避けた方が良いでしょう。
アルコールは、リラックスすることで力が抜けやすくなり、素面(しらふ)の時よりもスムーズにスイングできる人もいるので使いようではあります。ただ、力が抜けた状態でナイスショットを連発できる人はレアケースです。
元々ゴルフ発祥の地ともされるイギリスでは、18Hスループレーのラウンド後に食事をしたりお酒を飲むというスタイルでした。プロゴルファーのトーナメントも同様で、ラウンド中にバナナを食べたり、ゼリー飲料を飲んだりしている選手をよく見かけます。
私がゴルフ部に所属していた学生時代、バナナを食べていたタイガー・ウッズを見て真似している部員が多くいました。バナナはカロリーがあり、腹持ちもよいので、一本食べるだけでハーフ(9ホール)は十分に持ちます。
ベストスコアを狙いに行くときのラウンドや、勝ちたいコンペなどの日はコンビニでバナナを購入し、昼ごはんを抜く。もしくはお腹にたまりづらく消化の早いサラダなどだけにして、空腹を感じたらバナナを食べる。これらをすることで、午後イチのミスショットが防げる可能性は高まるでしょう。
続いては飲み物の選び方です。汗をかく季節になると、多くのゴルファーがラウンド中にスポーツドリンクを飲むようになります。しかし、よほど汗をかかない限りは控えた方がよいかもしれません。
スポーツドリンクの中に含まれる「果糖ぶどう糖液糖」など高濃度の糖分は、血糖値を急上昇させ、喉が渇きやすくなることがあります。喉の渇きを覚えると自分が緊張しているのかと思い込み、プレースタイルが消極的になってしまうことがあるのです。
また、血糖値が急上昇したあと、急降下するときに眠気やだるさを感じることがあります。血糖値の折れ線グラフ上の変化の様子から「血糖値スパイク」と呼ばれる症状です。ラウンド中に眠気を感じたことがある場合は、飲み物が原因だったかもしれません。
これらは仕事にも置き換えることができます。午後に大事なプレゼンや打ち合わせがある際は、昼ごはんを食べ過ぎることや、糖分たっぷりのエナジードリンクに頼るのを控える。意外と多くの人が逆効果のことをしているのではないでしょうか? もし当てはまるようでしたら、ゴルフ上達&ワークパフォーマンスアップに向けてぜひ改めてみてください。(平井孝幸・健康経営アドバイザー)
■ 平井孝幸(ひらい・たかゆき) プロフィール
株式会社イブキ代表。東京大学医学部附属病院22世紀医療センター 研究員。15歳でゴルフを始め、3カ月で「75」で回る。慶應義塾大学卒業後、ゴルフ事業で起業。2011年にIT企業に入社。15年から働く人の健康×パフォーマンスアップサポートを開始。19年に所属する企業が経済産業省と東京証券取引所から評価され、健康経営銘柄を獲得。近著に「仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること」