瞑想でメンタル効果 覚えておきたい3つの入浴メリット
ラウンド後に入浴する人は多いのではないでしょうか? ゴルフ場が新型コロナウイルスの影響で浴場をクローズしている場合もありますが、今回は入浴の効果について解説します。いくつもの効果が期待されるなかで、今回は(1)疲労回復(2)関節の可動域拡張(3)メンタル効果に絞って取り上げます。
疲労回復
湯船につかった際に、リラックスして疲労が緩和されているように感じる人は多いと思います。疲労回復で重要な点は、血流の改善と呼吸を整えること。血流はお湯につかると自然と改善されるので、大切なのは呼吸です。
仕事やゴルフの場面では無意識のうちに緊張状態になることが多く、普段よりも心拍数が増え、呼吸が浅くなりがちです。お湯につかったら、お腹に手を当てて鼻呼吸を繰り返してみてください。半身浴でも大丈夫です。これを2、3分行うと全身の緊張感が抜けて体が楽になりやすいです。
関節の可動域拡張
湯船のなかで両足裏をくっつけて左右のひざを底につけたり(写真参照)、開脚をしてみたりしてください。これは浴槽が広くないとダメですが、ご家庭にあるお風呂でも正座をして上半身のストレッチは可能です。体が硬い人はストレッチを嫌いますが、湯船では血行が促されストレッチ効果が高まります。ただ、湯温が高すぎるときや、体調が優れないときは行わないように気を付けてください。
また、ゴルフ場の浴場では、自分の体の変化と向き合ってみることもおススメします。もしも体に違和感を覚える部分があれば、力んでいたり、スイングの弱点になっていたりする可能性があるからです。例えば右腕の付け根の筋肉に違和感がある場合、実はラウンド中に右腕に力が入りすぎているケースがあります。長年ゴルフをして手首やひじ、肩、腰などを痛めている人は、湯船につかりながら体の動きを振り返り、痛めてしまった原因を推察できれば、スイングの悪いクセが直るかもしれません。
メンタル効果
ここ数年ビジネスマンやアスリートが取り入れているマインドフルネスというものを紹介します。これは仏教のヴィパッサナー瞑想から来ており、簡単に言えば、『自分の活動を自分で観察する』ことです。
例えば、呼吸をするときは鼻を抜けていく空気の流れや肺の拡がりに意識を向ける。ストレッチをするときは筋肉の伸びや骨の動きを観察する。自分のそのときの動きや活動に意識を傾けて観察することを定期的に続けていくと、ストレス対処能力が上がることが、2018年に精神科医と一緒に行った研究でわかっています。
瞑想と聞くと「自分には関係ない」と思う人もいると思いますが、平たく解釈すれば「自分の体の動きや呼吸に意識を傾ける」ことです。継続して行ってみるとメンタル面での効果が期待できます。
最後は少しマニアックな話になってしまいましたが、お風呂は体を温めるだけではなく、使い方によってさらにプラスの効果をもたらしてくれます。毎日入るものだからこそ、ゴルフと仕事のパフォーマンスや、日常生活においても重要なのです。(平井孝幸・健康経営アドバイザー)
■ 平井孝幸(ひらい・たかゆき) プロフィール
株式会社イブキ代表。東京大学医学部附属病院22世紀医療センター 研究員。15歳でゴルフを始め、3カ月で「75」で回る。慶應義塾大学卒業後、ゴルフ事業で起業。2011年にIT企業に入社。15年から働く人の健康×パフォーマンスアップサポートを開始。19年に所属する企業が経済産業省と東京証券取引所から評価され、健康経営銘柄を獲得。近著に「仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること」