エレベーターより階段を 運動不足を解消する上り方
運動不足は心身のコンディションを乱す一因です。ステイホームを求められたこの1年半は、特に運動不足を招きやすい状況と言えます。体重増加や、肉体の疲労を感じず寝つきにくくなる、睡眠の質の低下からメンタル面に影響が及ぶなどの弊害があると聞きます。
運動不足の自覚があっても、ランニングや筋トレを行うことに腰が重い人は多いでしょう。そこで、おススメしたいのが階段の有効活用です。駅や商業施設、スーパーマーケット、マンションなどの階段がある施設では、エレベーターやエスカレーターを利用する人が多数派に感じます。しかし、健康経営を生業にする私からすると、階段を上らないことはすごくもったいないと思っています。
階段の利用は運動不足の解消につながります。上りを嫌う人は多いですが、階段の上り方にはコツがあります。頭を前に出すと上半身が前傾気味になり、足を次の段へスムーズに出せるようになります。
以前に本連載でお伝えした通り、頭の重さは体重の約10%もあります。この重さを有効活用するわけです。前傾する際は足元を見たくなりますが、視線は高い位置に。この上り方を繰り返せば、1段飛ばしでも無理なく上れるようになります。
次第に太ももやふくらはぎの力感が少なくなっていることにも気づくはずです。普段の徒歩では下半身に力感のある人は少ないですが、階段となると無駄な力が入る。上り終わった後に疲れを感じて、階段を避けるようになるという悪循環に陥ります。
コツをつかめば颯爽と上れますし、力の抜けた下半身の動きが習慣化されます。お金も時間もかからない階段の有効活用。階段を使っている人が少ない今こそ、おススメです!(平井孝幸・健康経営アドバイザー)
■ 平井孝幸(ひらい・たかゆき) プロフィール
株式会社イブキ代表。東京大学医学部附属病院22世紀医療センター 研究員。15歳でゴルフを始め、3カ月で「75」で回る。慶應義塾大学卒業後、ゴルフ事業で起業。2011年にIT企業に入社。15年から働く人の健康×パフォーマンスアップサポートを開始。2021年、増田哲仁プロとウェルビーイングゴルフプログラム『TenSwing』を開始。近著に「仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること」