Turf Life Balance

腰痛が心配なら64歳ランガ-のスイングを参考に

2021/12/16 13:03
(写真AC、クリエーター:胡麻油さん)

ゴルファーが体に抱える悩みの多くが、腰、手首、ひじの痛みです。特に体のねじりを使ってスイングするゴルフは、腰に負担がかかりやすいスポーツと言えます。今回は、腰痛になりやすい人の共通点を挙げ、参考になるスイングを紹介します。

腰痛になりやすい人の共通点は、下半身をどっしりさせて、ひざや腰を動かさないようにスイングしていることです。重心を下げることで土台がぶれずに安定したスイングになり、また強い捻転を生み出すことができます。

しかし、このような動きは体に過剰な負荷をかけます。筋力トレーニングをしているプロゴルファーですら、腰痛により離脱する選手は少なくありません。長くゴルフライフを楽しみたいアマチュアには、あるベテランプロのスイングを参考にして欲しいと思います。

それは、64歳で米シニアツアーの賞金王になったベルンハルト・ランガー選手(ドイツ)です。動画サイトなどを見ればわかりますが、彼のスイングには、ねじり感や力み感はほとんどありません。

ランガ-のスイングを参考に!(Getty Images)

具体的にはバックスイングで左ひざが前に出て、腰は柔らかい動きで、まるで飛球線後方に体を向けているようです。切り返しでは左足への過剰な体重移動がなく、クルっと体を回しています。フィニッシュに迫力のある力強さは感じないかもしれませんが、これが体を長持ちさせるスイングの秘訣なのです。

また、ゴルフレッスンの代表的な例に、頭を止めてボールをしっかり見る、というものがあります。これには下半身に過度な制御が入ることで、腰を痛めやすくなる側面があります。今まで下半身を止めてスイングをしていた人にとっては、力を入れずに、まるで歩くようにスイングをすることに抵抗があるかもしれません。

しかし、日本のシニアツアーで4年連続賞金王になった高橋勝成選手や、米女子ツアーで8度の賞金女王に輝いたアニカ・ソレンスタム選手(スウェーデン)など、スイングの常識を逸脱するくらい体をねじらずに大活躍した選手がいます。

長くゴルフを楽しむために最も大切なことは健康維持です。腰痛を予防する意味でも、世界のベテランプロのスイングは参考になると思います。(平井孝幸・健康経営アドバイザー)

■ 平井孝幸(ひらい・たかゆき) プロフィール

株式会社イブキ代表。東京大学医学部附属病院22世紀医療センター 研究員。15歳でゴルフを始め、3カ月で「75」で回る。慶應義塾大学卒業後、ゴルフ事業で起業。2011年にIT企業に入社。15年から働く人の健康×パフォーマンスアップサポートを開始。2021年、増田哲仁プロとウェルビーイングゴルフプログラム『TenSwing』を開始。近著に「仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること」