Turf Life Balance

ゴルフが健康経営に役立つこれだけの理由

2022/02/03 13:00
ゴルフは健康になる要素が詰まったスポーツ(Getty Images)

歩き方や階段の上がり方、食事、飲み物、呼吸法、瞑想…。過去の連載ではビジネスパーソンがワークパフォーマンスを上げるために、健康的なライフスタイルを実践するためのヒントを伝えてきました。今回は、企業が従業員の体調をサポートする健康経営に、ゴルフが役立つというテーマを取り上げます。

まず、健康経営に取り組む企業が行う主な活動は、従業員の(1)運動(2)食事(3)睡眠(4)メンタルを健全に保つことです。これらすべてに共通する解決案が、生活リズムを整えるということ。例えば、しっかりと体を動かし、食べ過ぎや飲み過ぎに注意する。十分な睡眠をとり、休日も平日と同じ時間に起床して日光を浴びる。ゴルフには、これらの要素が多分に含まれているのです。

ゴルフ場に行けば、カートに乗ったとしても8000歩程度は歩きます。ラウンド中は食べ過ぎや飲み過ぎを防げますし、当夜は早めの起床と程よい疲れにより快眠できるのではないでしょうか。また、上達を求めると緊張に打ち勝つ必要があるため、自発的にメンタルコントロールを学ぶ方もいるでしょう。つまり、定期的にゴルフに行く方は、健康的な生活を送るための要素を取り入れているわけです。

喜んだり、コミュニケーションをとったり。ゴルフは人とつながるスポーツ(Getty Images)

私は企業向けに『健康経営ゴルフプログラム』をつくっています。講演会や各社の人事、健康保険組合の方々とゴルフについて話すと、興味を持っていただけます。コロナ禍で大規模なコンペの実施は難しいですが、状況が良くれば導入を検討したいという企業も増えています。

コロナ禍で失われたものを取り戻せる可能性もあります。リモートワークによる運動不足やメンタル面の不調、人と人とのつながりの減少。いま社内交流はもちろん、社外との交流も圧倒的に減少しています。ゴルフを遊興のひとつとしてではなく、健康啓発やリフレッシュ、人材交流の場として設計することで、投資対効果の高い活動にしていける可能性があるのです。

もちろん、ゴルフをしない方が圧倒的多数のため、企業が導入するハードルの高さを下げるための工夫が必要です。次回は私が考える、ゴルフ上達にもつながる健康プログラムを紹介します。(健康経営アドバイザー・平井孝幸)

■ 平井孝幸(ひらい・たかゆき) プロフィール

株式会社イブキ代表。東京大学医学部附属病院22世紀医療センター 研究員。15歳でゴルフを始め、3カ月で「75」で回る。慶應義塾大学卒業後、ゴルフ事業で起業。2011年にIT企業に入社。15年から働く人の健康×パフォーマンスアップサポートを開始。2021年、増田哲仁プロとウェルビーイングゴルフプログラム『TenSwing』を開始。近著に「仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること」