ゴルフ×健康プログラムで健康経営をサポート
前回の連載では、企業が従業員の体調をサポートする健康経営にゴルフプレーが役立つことをお伝えしました。今回はゴルフをしない人でも一緒に参加できる、私が発案した健康プログラム『Golfing』について紹介します。
ゴルフの動きをエクササイズに取り込んだもので、クラブを振らず、ボールも打ちません。イメージはヨガやピラティスに近いかもしれません。
約30種類あるメニューの一例を紹介します。まず両足をスタンス幅に広げます。両手を広げてバランスを保ちながら、頭を左右に動かします。右に動かす際は左足が浮くくらい、大きく動かしてください。動きに慣れたら、頭を右に動かすときは右肩を引き、左に動かすときは左肩を引いてください。これを10往復ほど繰り返します。
このメニュー、実は上半身と下半身が連動した、ゴルフのスイングに似た動きになっています。クラブを使わなくても、ゴルフの動作と関わりのある動きを中心に行うことで、スイングレベルを上げながら、歩き方や姿勢を美しくすることを目指します。
また、日常生活ではあまり使わない筋肉に刺激を加えているため、代謝の良い体作りに役立ちます。肩甲骨や股関節、腹斜筋など体幹を大きく動かすメニューが多く、インナーマッスルも活性化します。
この2年間でリモートワークが広がり、企業が従業員の運動不足解消策を練っていると聞きます。一時オンラインヨガやウォーキングなどが注目されましたが、健康に関心のある人しか興味を持たず、健康意識の低い層の参加率が課題だったようです。
しかし、健康への関心は薄くてもゴルフは好き、という方は多いと思います。実際、数社で『Golfing』セミナーを開催したところ様々な反響がありました。人事担当者からのフィードバックで最も多かった意見が、普段の健康施策セミナーに参加していなかった人が参加していて驚いた、というものでした。
ゴルフ関連の活動では、非ゴルファーが恩恵を受けられないという障壁がありましたが、未経験者でも自宅ですぐに行えるため、不公平感がありません。今後もゴルフ×健康をテーマにした活動を広めることで、ゴルフ人口の拡大や健康経営の実現につなげていきたいと思っています。(健康経営アドバイザー・平井孝幸)
■ 平井孝幸(ひらい・たかゆき) プロフィール
株式会社イブキ代表。東京大学医学部附属病院22世紀医療センター 研究員。15歳でゴルフを始め、3カ月で「75」で回る。慶應義塾大学卒業後、ゴルフ事業で起業。2011年にIT企業に入社。15年から働く人の健康×パフォーマンスアップサポートを開始。2021年、増田哲仁プロとウェルビーイングゴルフプログラム『TenSwing』を開始。近著に「仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること」