食の工夫で快適ラウンド 第3回:心身の不調に「辛い」はNG?
病院へ行くほどではないけれど、全身の気怠さや頭痛などの症状に悩まされていませんか? それらの症状は、もしかしたら「不定愁訴(ふていしゅうそ)」によるものかもしれません。
今回は東洋医学の観点から身体の重だるさや頭痛といった「不定愁訴」についての解説と、不調を改善する食材もご紹介します。
不定愁訴の原因・解説
不定愁訴とは、身体のだるさや頭痛、頭重感、めまい、動悸、食欲不振、下痢など多様な症状があります。不快感を伴う自覚症状はありますが、身体の異常との関連がはっきりしないものが多く、心身の不調(主に自律神経症状)を表すこともあります。特に月経や妊娠・出産、更年期などによってホルモン分泌が変化する女性に多いと言われています。
1.人によって表れる症状が異なる
2.複数の症状が同時に表れ、関連性はほとんどない
3.症状は出たり消えたり不安定で、長引くこともある
4.症状は主観的で、他の人に伝えたり、理解してもらいにくい。
などの特徴があります。
東洋医学では、生命活動をつかさどる「気・血・水(き・けつ・すい)」の不調和が不定愁訴を引き起こす原因と考えられています。大切なのは「気」のバランスを整え、強めること。さらに、身体に栄養を運ぶ「血」を補い、流れを良くする必要があります。
おすすめの食材
不定愁訴の症状を解消するには、うるおいの元となる食材や、血行を促し血の滞留や固まりを消散する作用を持つ食材を選びましょう。
黒豆、納豆、赤米、黒米、
たまねぎ、ちんげんさい、
菜の花、にら、みょうが、
クランベリー、生プルーン、
いわし、うなぎ、鮭、さば、さんま、
バジル、ローズマリー、シナモン、
サフラン、ターメリック、
黒砂糖、酢、味噌、甘酒、酒粕
砂糖が多く含まれる食材は血をドロドロにする作用があるため、チョコレートなどの甘いものや辛いもの、もち米、エビ、カニ、魚卵などはできるだけ避けましょう。食事以外では、夏でも靴下を履くなど足を温めることが血行不良の改善に効果的です。
(協力/ケアくる)
■ 齋木 拓(さいき・たく) プロフィール
鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師/日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
スポーツ整形外科、会員制スパ&フィットネスクラブ等で治療や運動指導の経験を積む。アスリートからスポーツ愛好家まで、幅広い年齢層への治療やリハビリテーションを通じて、日常生活やスポーツ競技への復帰をサポートしている。 痛みや不調に合わせ「より効率的な身体の使い方」ができるよう、鍼灸の東洋医学的視点からセルフケアやエクササイズ、食事にまで及ぶ総合的なコンディショニングを身上とする。https://carecle.com/detail/201 クリニックオフィシャルサイト:http://www.loople.jp/