高まる熱中症リスク 夏場のマスクには要注意!
春は花粉症、冬はインフルエンザ対策としてマスクを着用している方は多いかと思います。今年は新型コロナウイルスの感染防止や、予防策として “日常化”しているマスクですが、気温が上がるこの季節には、注意が必要です。
今回はマスク着用によって高まる熱中症の危険性を解説します。
熱中症のリスクが高まる理由
マスクは、せき、くしゃみ、また会話によって出る飛沫の拡散予防に有効とされ、自分が感染しない、他人に感染させないためにも大切なツールとなっています。
厚生労働省は「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントとして、マスク着用について、次のように記しています(抜粋)。
“マスクを着用していない場合と比べると、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、身体に負担がかかることがあります。
高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなる恐れがあるので、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう。”
(出典:厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_coronanettyuu.html 2020/5/29公開)
トイレで分かる? 脱水症状のサイン
マスク内の湿度は高くなるため、口やのどの渇きを感じにくくなります。また、発汗により、体内の水分は気づかぬうちに失われています。
「のどが渇いたな」と感じた時点で、すでに体内の水分量が不足し、脱水状態にあるため、熱中症を引き起こすリスクが高まります。
また、体内の水分量は尿の色で確認することができます。正常な色は透明から薄い黄色です。十分な水分摂取ができていないと、濃い黄色から茶色に変化します。
もし、尿が濃い色をしていたら体調が良くても、コップ1杯から250mlの水分を摂るようにしてください。
本格的な暑さが始まるこれからの季節、ラウンド時のマスク着用は身体への負担も大きいため、ソーシャルディスタンスを確保した上でのマスクの着脱や、こまめな水分補給を心がけてください。
(協力/ケアくる)
■ 齋木 拓(さいき・たく) プロフィール
鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師/日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
スポーツ整形外科、会員制スパ&フィットネスクラブ等で治療や運動指導の経験を積む。アスリートからスポーツ愛好家まで、幅広い年齢層への治療やリハビリテーションを通じて、日常生活やスポーツ競技への復帰をサポートしている。 痛みや不調に合わせ「より効率的な身体の使い方」ができるよう、鍼灸の東洋医学的視点からセルフケアやエクササイズ、食事にまで及ぶ総合的なコンディショニングを身上とする。https://carecle.com/detail/201 クリニックオフィシャルサイト:http://www.loople.jp/