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ゴルフが難しくなる? アマチュアにお勧めできない畑岡奈紗のテークバック

2022/05/26 11:45
右ひじが曲がる畑岡奈紗のテークバック。グリップエンドが外を向いている

誰もが真似すべき理想的なアドレスをしている畑岡奈紗だが、反対に真似すべきではないポイントも存在する。レッスン活動にも力を入れる矢野東によれば、アマチュアが真似すると、ゴルフが難しくなってしまう危険性が高い特徴があるという。

右ひじを曲げるテークバックは危険を伴う

ポイントはテークバックでの右ひじの使い方。「畑岡選手は比較的、腕を使うスイングで、テークバックの早い段階で右ひじが曲がります(写真上)。表現を変えると、早めにスイングプレーンに乗せるタイプ、フェースの開閉を使うタイプとも言えます」。注目するのはテークバックで左腕が地面と平行になったタイミング。この時点でグリップエンドがボールよりも外を指しているのは、右ひじが曲がっている、フェースが開いている証拠だ。

「スイングはさまざまな要素の組み合わせなので、畑岡選手のスイングにマッチしたテークバックだと思います。ただ。アマチュアの皆さんが同じように早い段階で右ひじを曲げると、フェースがどこを向いているのか分からなくなって、コントロール不能に陥るでしょう。テークバックで開いたフェースをインパクトでスクエアに戻すには、かなりの練習量とセンスが必要です」

矢野がアマチュアに勧めるのは、フェースの開閉を抑えたスイング。左腕が地面と平行になるタイミングで右ひじが伸びていれば(写真下)、グリップエンドがボールの内側、むしろ足元に近い場所を指す。

右ひじを曲げずにテークバックすればグリップエンドはボールよりも内側を指す

「テークバックで腕はアドレスの状態のまま、何もしないというイメージを持ってください。畑岡選手も感覚的には何もしていないはずで、だからこそ再現性が高いんです。畑岡選手を真似して右ひじを曲げようと意識したら、毎回同じ動きをすることが難しくなってしまいます」。練習量は真似できないだけに、プロのスイングのどこを参考にするかには注意が必要だ。

取材協力/FIVE ELEMENTS

■ 矢野東 プロフィール

1977年7月6日生まれ。群馬県出身。ツアー通算3勝。2000年にプロ転向し、08年にシーズン2勝を挙げて賞金ランキング2位に輝いた。ツアープロとして活躍する傍ら、現在は都内のゴルフスタジオ「FIVE ELEMENTS」でチーフコーチとして活動中。

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