「ひざを動かさない」の罠
2020/03/03 17:00
スイングやクラブ選択において、正しいことをしているはずなのに何故か進歩しない。そんなアマチュアゴルファーは、上達を妨げる「レッスンの罠」にハマっているのかもしれません。レッスンスクール「ゴルフテック」の中村晃文コーチが主な例を挙げながら、テーマごとに解説します。
「ひざには動かしても良い方向がある」
スイングにおいて、右ひざを動かさないように意識するレッスンはよくあります。スエー(バックスイング時に身体が右方向に流れる動き)を防いで、上半身と下半身の捻(ね)じれ差を作り、捻転を使って飛ばすイメージですね。決してそれを否定するわけではなく、ゴルファーによって向き・不向きがあるという話です。
例えば、もっとも合理的に飛距離が出せるプッシュドローを身につけたいゴルファーには、右打ち出し・左回転のボールを打つために、インサイドアウトのスイング軌道が求められます。そのためには、アドレスからトップにかけて右ひざを固定するよりも、後方(かかと側)に軽く伸ばすのが効率的。腰の回転が増えることで、トップで手の位置を深く入れやすくなり、ボールに対してクラブ軌道がインサイド、フェース向きがオープンのインパクトを作る動きを助けてくれます。
右ひざを伸ばす際、身体の重心は中心より少し左側に寄せるくらいの意識です。右ひざを伸ばすとトップで手がより深いところに行くので、それだけでクラブのインサイドアウト軌道が作りやすくなります。ゴルファーの7割から8割がスライサーであることを考えると、ひざを動かしてインサイドアウトの動きを作ることでメリットを得られるゴルファーは多いと思います。
もちろん、身体を回すことが苦ではないゴルファーは、ひざを止める意識でもよいので、スマートフォンなどで普段のトップでの手の位置を確認してから判断するとよいでしょう。