“ランチ”を賢く食べるコツ/大人のゴル「BODY」
食の工夫で快適ラウンド 第1回:「冷え」に効く食材とは
一段と冷え込みが厳しくなる2月。この時期のラウンドは寒さで身体が縮こまり、固まってしまいますよね。人は寒さを感じると、筋がこわばったり、関節の屈伸がしづらくなったり、内臓に冷えが生じると言われています。今回は鍼灸や薬膳の分野といった東洋医学の観点から「冷え」について解説します。
記事の後半では、身体を温める食材をご紹介します。ラウンド前日や当日の昼食に摂り入れてみてはいかがでしょうか?
冷えの原因・解説
身体の「冷え」は、四肢や体内、全身などさまざまな部位で感じます。「冷え」による主な症状として、手足や体幹の冷え、内臓の不調、身体・関節の痛みやだるさ、生理痛や下痢などが挙げられます。一般的にこれらの症状に対して、西洋医学では診断がつくことはほとんどありませんが、東洋医学においては治療の対象としています。
東洋医学では、内臓を活動させているものを「気・血・水(き・けつ・すい)」と考え、「冷え」はこれらのバランスが乱れることによって起こるとされています。具体的には、身体のエネルギーの元となる気が不足している「気虚(ききょ)」、血の流れが滞る「淤血(おけつ)」、水が溜まっている「水毒(すいどく)」などの状態があります。
おすすめの食材
「冷え」の症状を解消するためには、熱性・温性に属する「身体を温める/冷えをとる/血流を促す」作用のある食材、または「気や血を補う/邪気を散らす/気血の流れを促す」作用のある甘い・辛い食材を中心に選ぶのが良いでしょう。
これらの作用を持つ食材は以下のとおり。
鶏肉、羊肉、鮭、赤貝、えび、まぐろ、にら、青ねぎ、ねぎ、高菜、よもぎ、らっきょう、エシャロット、なたまめ、ししとうがらし、ザーサイ、みりん、酒粕、甘酒、酒、焼酎、ウイスキー、黒砂糖、にんにく、みょうが、わさび、しそ、生姜、からし、こしょう、山椒、唐辛子、八角、シナモン、クミン。
調理法では「揚げる」→「炒める」→「焼く・煮る・蒸す」→「茹でる」→「生食」の順番で温性(体を温める)から涼性(体にこもった熱を冷ます)に変わります。同じ食材でも調理法によって性質が変化します。
また食材選びにおいて、苦いもの・生もの・脂っこいものは控えましょう。身体を冷やしたり、消化・吸収を妨げる作用があります。
体質や身体の状態、部位・症状などを考慮して、選ぶ食材や調理法を工夫します。「冷え」は、長い期間に渡って少しずつ進行していく症状のため、短期間で解消されるということはありません。
特に寒い時期は、身体を冷やす性質の食材を避け、身体を温め、巡りをよくする食材を積極的に摂りましょう。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」とことわざにあるように、冷えを感じるからといってキムチ鍋のような熱すぎるもの、辛すぎるものは、汗をかいて体の熱を奪ってしまうので摂り過ぎには注意が必要です。なにごともバランス良く摂取することが大切です。
(協力/ケアくる)
齋木 拓(さいき・たく) プロフィール
鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師/日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
スポーツ整形外科、会員制スパ&フィットネスクラブ等で治療や運動指導の経験を積む。アスリートからスポーツ愛好家まで、幅広い年齢層への治療やリハビリテーションを通じて、日常生活やスポーツ競技への復帰をサポートしている。 痛みや不調に合わせ「より効率的な身体の使い方」ができるよう、治療とエクササイズを組み合わせた、総合的なコンディショニングを得意とする。現在は治療活動の傍ら、IT企業で従業員のパフォーマンスアップのためエクササイズ・トレーニング指導を行っている。https://carecle.com/detail/201 クリニックオフィシャルサイト:http://www.loople.jp/
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