フジクラ特集
2022/10/28

吉田優利がハードスペックのシャフトを手にしてきた理由

連載:老舗シャフトメーカーが誇る伝統と新たな血統
好調が続く吉田優利がクラブ選びのこだわりを語る(撮影:落合隆仁)

若手の台頭が続く国内女子ツアーの一翼を担う存在となっているのが、2019年プロテスト合格の吉田優利だ。22年はシーズン終盤を前に優勝こそあと一歩届いていないが、2勝を挙げた20-21年シーズンを上回る頻度で上位争いを続けており、目に見える形で成長を示している。

安定したプレーを支えるのは、磨いてきた技術やコースマネージメント、コーチら周囲のサポート、そして14本のクラブ。大きな可能性を秘めた22歳のヘッドとシャフト選びには、独自のスタイルと先を見据えたスキルアップへの思いが詰まっていた。

新モデルを積極的にツアー投入

ツアーには、同じクラブを長く使い続ける選手と、最新モデルを積極的に使用する選手がいる。自らを「新しいもの好き」という吉田は間違いなく後者。「新しいクラブが今のクラブよりもいいと思ったときは当然ですが、同じくらいと思ったときも新しい方を使います」という。

ゴルフクラブに限らず新しいモノには敏感という(撮影:落合隆仁)

相性で合う、合わないはあるが、クラブは年々ヘッドもシャフトも進化しており、新しいものを使った方が有利。「自分がオーソドックスなスイングを身につけていれば、どんなクラブにも合わせていける。そうすることで、新しいクラブのメリットを最大限に受けられると思っています」との持論を持つ。

重視するのは第一印象。ドライビングレンジや練習ラウンドでじっくり慣らし運転をすることもなく、気に入れば即、実戦投入する。クラブとシャフトメーカーの担当者が、スイングや好みを把握したうえで新しいモデルを勧めているからこそだろうが、スパッと切り替えるのが吉田のスタイルだ。

データよりも感覚派

シャフトも新モデルを積極的に使用する(撮影:落合隆仁)

ドライバーに関していえば、好みは「やさしいヘッドにハードめのシャフト」という組み合わせで、アマチュア時代から現在までほぼ一貫している。一方、アイアンは「マッスルバックとやさしいキャビティの中間のモデル」を選択する。「やさしいクラブが好きですが、ツアーのコースセッティングで戦うためにはスピン量が必要。キャビティだとツアーのグリーンでは止められないとは言い切れませんが、中間のモデルはやさしさとスピン量のバランスがいいのかなと思っています」

飛距離やスピン量などの結果は弾道測定器により数値化できるが、それらはあくまで参考。実際にクラブを振った感触やボールの飛び姿など、最終的には自分の感覚を重視している。

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