フジクラ特集
2023/04/28

ゴルファーを救う「天職」へと到達したシャフトフィッターの執念

連載:老舗シャフトメーカーが誇る伝統と新たな血統

■シャフトを替えるメリットとは

シャフトを替えるだけで曲がり幅は抑えられ、飛距離が伸びる(撮影:角田慎太郎)

最新機器とフィッターの目により、来店者が自分に合ったシャフトを装着することができた場合、どのようなメリットがあるのか。

「ミスを防ぐことはできませんが、ミスをしたときの曲がり幅や飛距離の落ちる度合いを減らすことはできます。曲がりでいえば、3分の2程度に抑えることが可能です。方向が安定する分、結果的に飛距離は伸びますね」

ならば、すぐにでも自分に合ったシャフトを選んでもらいたいところだが、無理にシャフトを売ろうとしないことが同店のポリシーだ。「現在使っているものが95点なら、合っていることを説明してお帰りいただきますし、使用しているクラブヘッドに合うシャフトがなければ、その旨をお伝えします」

■初心者や女性客も“駆け込み寺”へ

最近は「ゴルフを始めるので自分に合うシャフトがほしい」と相談に来る人もいるという(撮影:角田慎太郎)

来店者の男女比率は9対1で圧倒的に男性が多いものの、最近では女性も増えているそう。これまではリシャフトに対して敷居が高いと思われていたが、ネットやYouTubeなどで情報が入手できるようになったことで、「若い人もガンガン来る。『うまい人がやるんでしょ』という先入観はない」と、初心者やハイハンディのゴルファーまで幅広い。

さらに、「以前は悩んでいる人しか来なかったが、最近では(シャフトが)合っているか見てほしいという人も来る」と、来店理由もよりカジュアルな傾向に変わってきたそう。相談者からは「すごく良かったよ」と感謝されることも多く、「それがやりがい」と言う。

シャフトを替えるだけで、曲がりが抑えられ、飛距離が伸びるのなら、利用しない手はない。迷えるゴルファーの駆け込み寺的な存在。シャフトフィッターという仕事を「僕は天職だと思います」と言い切る小倉はきょうもやさしい笑顔で解決へと導く。

練習せずに70台でラウンドできるのは「シャフトが合っているから」と自負する(撮影:角田慎太郎)

小倉健太(おぐら・けんた)
1989年生まれ、東京都出身。高校卒業後、フジクラゴルフクラブ相談室木場店で初めてリシャフトを経験する。その後何度か来店するうちにシャフトに興味を持つ。11年に3年制の東京ゴルフ専門学校へ入学し、同校を卒業した14年にアールアンドアールフジクラに入社。木場店に配属され、シャフトフィッター兼クラフトマンに。自身は「SPEEDER NX GREEN」を使用。「僕にとっては100点。使い始めてから安定して70台がでるようになった」という。

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