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ゴルフプライド特集
2023/11/29

肥野竜也のモデル人生はゴルフで出来上がった 目標は「日本ミッドアマ」出場

連載:世界が選んだグリップ
2023年 ゴルフプライド特集 人気モデルの肥野竜也。人生の転機にゴルフが関わっている(撮影:角田慎太郎)
人気モデルの肥野竜也。人生の転機にゴルフが関わっている(撮影:角田慎太郎)

人気モデルの肥野竜也は「日本ミッドアマチュア選手権」(25歳以上)出場を目指す競技志向のアマチュアゴルファーでもある。ゴルフ関連のメディアやアパレルでモデルを務める姿をよく見かけるが、作り物ではない本気のゴルファーなのだ。ギアへのこだわりも当然持ち合わせているが、中でもこだわるのはグリップ。そのルーツはかつてプロとしてプレーしたテニスの経験にあるという。

■高校卒業後はテニスで進学するはずが …

2023年 ゴルフプライド特集 小中学校ではバスケ、高校からテニスにのめり込んだ(撮影:角田慎太郎)
小中学校ではバスケ、高校からテニスにのめり込んだ(撮影:角田慎太郎)

スタートは遅いけど、どこかで追いつく。肥野のエピソードにはそんな内容の話が多い。テニスを始めたのは高校に入ってから。

「小学校、中学校ではバスケ部だったんですけど、高校では個人競技がやりたいなと思った。モテるスポーツをやってチャラチャラするつもりだったけど、実際にやってみたら面白くてハマりましたね」

ゴルフと同様、テニスでも高校からというのはかなり遅いスタート。大学のスカウトからも声がかかるまでにはなったが、インターハイには手が届かなかった。

高校卒業後は地元のテニススクールにインストラクターとして就職した。「大学の方から何枚も名刺をもらっていたので、自分では(テニス推薦で)進学するものだと思っていた。おかしいなと思って卒業前に顧問の先生に聞いたら『お前は就職が決まっていたから断った』って。ボクにとってはテニススクールが滑り止めだった」

■インストラクターからモデルに転身

2023年 ゴルフプライド特集 1m80㎝の長身を生かしてモデルへ(撮影:角田慎太郎)
1m80㎝の長身を生かしてモデルへ(撮影:角田慎太郎)

今では笑い話として語る肥野だが、当時は人生を左右する一大事だった。その後、インストラクターをしながら大会にも出場。1年間のオーストラリア留学も経験した。帰国後はプロとして日本ランキングに名前が載ったが、ヘルニアなどのけがもあり、23歳で引退した。

テニススクールの生徒から事務所の社長を紹介され、モデルを始めたのは引退後のことだった。23歳はこの世界でも遅いスタートだ。

「大阪の事務所に所属したんですが、全く仕事がない。なんとかしようと思って頑張るんですけど、オーディションに通らない。それでも、どうしても雑誌の仕事がしたかったので、これは東京にいくしかないなと」。遅いスタートというハンディは発奮材料になった。

■「酒がダメならゴルフで」モデル営業も予想外の反応

2023年 ゴルフプライド特集 モデルとして活躍中にゴルフスイングのポーズに意外な読者の反応が…(撮影:角田慎太郎)
モデルとして活躍中にゴルフスイングのポーズに意外な読者の反応が…(撮影:角田慎太郎)

ゴルフを始めたのは仕事も増え始めた26歳のころだった。「ボクはお酒が飲めない。そうしたら当時の事務所のゴルフ好きの社長から『酒がダメならゴルフでお付き合いをしなさい』と言われたのがきっかけでした」

これを契機にゴルフを始めると、ゴルフ関連の仕事も徐々に増えていった。ところが、雑誌の表紙などに掲載された肥野の写真を見た読者からは意外な声が寄せられたという。

「『グリップがおかしい』『あんなフィニッシュはあり得ない』なんて言われました。30歳目前でスコアは100を切ったぐらいだったんですけど、これからは役作りとして、もっと本格的にゴルフをしなければと思いました」

■競技ゴルフの世界へ

2023年 ゴルフプライド特集 競技ゴルフにのめりこみ、モデル界では最も上手い選手の一人に(撮影:角田慎太郎)
競技ゴルフにのめりこみ、モデル界では最も上手い選手の一人に(撮影:角田慎太郎)

ここから競技に参加するほど、一気にのめり込んでいく。ただし、競技ゴルフの世界では20代後半でゴルフを始め、100を切ったのが30歳手前というのはかなり出遅れている。

「日本ミッドアマ」を目指すレベルになると、ジュニアのうちに競技を始め、一時はプロを目指していたという選手たちが相手だ。「あとは超お金持ちで毎日ゴルフをしている人たちですね。そういう人たちに負けたくないという気持ちは持っています。まあ、完全にやっかみですけど(笑)」

ラウンドは仕事を含めて年間60回ほど。競技ゴルファーとしては決して多い方ではない。「年100回を目指しているんですけど、一度も実現していません。一番多い年でも80回ぐらい。今年は60回にも届きません」

それでも、ベストスコア「68」の腕前になれたのは豊富な練習量があるからこそ。一時は週に8回練習場に行くほど通い詰め、自宅でもショートゲームの練習に明け暮れた。

「自分のスタート時間が午前10時でも、ボクの場合は営業開始に合わせてコースに行きます。練習をしていれば、いくらでも時間はつぶせますから」。ゴルフ好きであると同時に練習が大好きでもある。

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