本社潜入/世界No.1ブランドが語る“消費者至上主義”とグリップ開発秘話
プロ、アマチュアを問わず、世界でのシェアナンバー1を誇るグリップメーカー、「ゴルフプライド」。その本社(ノースカロライナ州パインハースト)に潜入取材を敢行した際、2月に日本でも販売を開始した、パター用グリップの新製品「ゼロテーパー」について話を聞くことができた。
ゼロテーパーは、2024年に発売され、瞬く間に世界トップクラスの売上を誇るパター用グリップとなった「リバーステーパー」の、いわば“兄弟ブランド”といった位置づけ。もうひとつのパターグリップの選択肢だ。
■下の手を“静かな手”に変える新発想の形状
「テーパー」とは「次第に細くなる」という意味で、一般的なグリップはグリップエンド側がいちばん太く、先端に向けて徐々に細くなっているのに対し、「リバース(reverse)テーパー」は先端に向かうにしたがって太くなる形状だ。ならば「ゼロテーパー」はどうかというと、太さが均一で変わらないパラレル形状になっている。
2つに共通するのは、グリップで下側に位置する手の部分が「細くなっていない」という点だ。このグリップが誕生した背景には、同社の徹底した「消費者至上主義」があったことを、開発責任者のブルース・ミラー氏がまず教えてくれた。
「我々は何百人というゴルファーに聞き取り調査をして、グリーン上で困ったことを引き起こす原因について調べました。そこでわかったのは、グリップの形(オーバーラッピング、逆オーバーラッピング、クロウなど)に関係なく、肩から遠いほうの手(=下側に位置する手)が『動きすぎて』(over react)しまうという点で、ほとんどのゴルファーが苦労しているということです」
「その事実を受けて、肩から遠いほうの手で握る部分を、一般的なグリップよりも太くするという発想が生まれました。これによって、動きすぎてしまう手を『静かな手』に変えることができたというわけです」
“静かな手”とは、まさに言い得て妙。インパクトで余計な力みが消え、フェースがブレない、といった理想的なインパクトを自然にイメージさせてくれる。
■断面は蹄鉄型 その理由とは
最新の「ゼロテーパー」は、パラレル形状(太さが変わらない“まっすぐ”の形状)だけが「ウリ」ということでは、もちろんない。再びミラー氏が、その革新的な構造について説明してくれた。
「グリップの形状を見てもらうとわかりますが、断面図が『ホースシュー』(馬の蹄鉄)の形になっています。背面が丸みを帯びていることで自然な形で指をかけられるという利点の他に、グリップのサイドウォール部分を大きく取れることが『ゼロテーパー』の特長です」
「円形のグリップだとどこがサイドウォールなのかはっきりせず、フェースがスクエアかどうか判断に迷うことがありますが、『ゼロテーパー』の場合は、大きなサイドウォールによってストローク中にパターフェースの向きを感じ取りやすく、そのことがスクエアなパッティングに大きく貢献します」