ゴルフがもっと楽しくなる? 大手自動車メーカーの描く未来像
自信を持ってスタートホールへ
ホンダがZR-Vに掲げるテーマのひとつは、「クルマの運転を通じて自信を持ってもらい、新しい一歩を踏み出してもらう」こと。そのために必要なのは、運転に自然と集中できる環境作りだという。まずは全身を隙間なくホールドできるシートに整え、カーブの走行時に起こる体の振れを軽減。視界は全方位に広く解放的で、ドライバーの操作要求に迅速に応える取り回しの良さを備える。遠距離の移動による疲労やストレスを軽減し、ゴルフ場までの道中も、高速道路や山道を問わず快適なドライブを楽しめる。
「運転中に体の揺れなどの動きがあると、ストレスや疲れに変わる認識です。そんな状態でティショットを打ったときには、いつものスイングとは違うものになるかもしれません。運転を通じて自信と余裕を持ってもらい、しっかりとチャレンジする気持ちを促したい」。元気をみなぎらせた状態でコースに到着できれば、朝イチから自信を持ってプレーできることにもつながるはずだ。
ゴルファーニーズに応える仕様
実用面でもゴルファーにとってうれしい特徴が備わっている。そのひとつが、シートを倒すことなく「ゴルフバッグが横向きに3つ積めることはマストだった」という広々としたラゲッジスペース。地面から床下の高さも、積み下ろしがラクにしやすい「絶妙な高さ」に設計されているという。
家族やゴルフ仲間を乗せる状況では快適な乗り心地を共有できる一方で、ひとりでゴルフに行くときは「スポーツモード」(タイプ別設定)で力強い走りを楽しむのもいい。「クルマ自体の過度なファッションにフォーカスするのではなく、乗っていただく方それぞれの個性や能力を最大限発揮していただくことを支援していく。そのコンセプトを具現化する妥協なき開発にチャレンジさせてもらいました」と河口は胸を張る。
「これからの世代に向けてのクルマは、そういう形で開発を進めていく。乗っている全ての人がハッピーになれる、満足できるクルマを開発できればと思っています」。そして、河口は付け加えた。「ゴルフに行くときは、朝エンジンをかけてから、夕方に帰ってくるまで『楽しかった』といえるクルマ作りを――」