本間ゴルフ特集
2022/10/28

“匠”が手掛けるゴルフクラブ 青木源太が見たモノづくりの神髄

連載:「完璧なクラブ」をつくり続ける“匠”たちの思い

匠の技術を未来に継承する「名匠制度」

”名匠”に指導してもらいながら、青木アナもシャフト巻きに挑戦した(撮影:落合隆仁)

時代とともにオートメーション化が進む酒田工場だが、“手づくり”を守り続けている工程の一つひとつに、長く受け継がれてきた伝統の技が注ぎ込まれている。そのひとつが、木材や金属からクラブヘッドの原型を削り出すマスターモデルづくりだ。

「ゴルフクラブは、人が使う道具。そう考えると、構えやすさや打ちやすさ、弾道イメージが湧くヘッド形状は、コンピューターだけでは表現できないのかもしれません」。青木さんがそう話す通り、本間ゴルフでは人の感性に響くクラブに仕上げるため、その道を極めた“匠”たちがウッドやアイアンのマスターモデルを手作りで生み出している。

酒田工場には現在300人以上の職人が「匠」として在籍しているが、中でも優れた技術を持つ職人には「名匠」の肩書が与えられている。名匠に認定されるには、「名匠制度審議委員会」の厳しい審査とテストの合格が条件。現在、名匠の称号を持つ職人は各工程で分けられ、マスターモデルづくり、ヘッド塗装やシャフトのシート巻き、アイアン調角、メッキ加工など、計30人程度いるという。

彼らの役割は、本間ゴルフのモノづくりの伝統と技術を現場で発揮することはもちろん、後進の育成や技の伝承を行っていくことにある。数人の名匠に話を聞き、長く受け継がれてきた伝統の一端に触れた青木さんの言葉にも熱がこもる。

「印象に残っているのは、それぞれの名匠の方が、何十年も同じ場所で同じ作業をし続けていることです。組み立ての名匠・武田史朗さん、アイアン研磨の名匠・佐藤勉さん、ウッド塗装の名匠・斉藤豊さんと、皆さん40年近く、同じ仕事を続けているとのことです。オートメーション化が進む酒田工場ですが、名匠をはじめ、多くの匠の手を介してクラブづくりが行われていることを知りました。本間ゴルフの数々の名品は、妥協しないモノづくりから生まれているんですね」

繊細なモノづくりが熱狂的なファンを生む

シャフトの塗装にも匠たちの技術が詰まっている(撮影:落合隆仁)

酒田工場でクラブが作られる一連の工程を見て、青木さんは「本間ゴルフのクラブは、設計から製造、検査などすべてのプロセスで、最新テクノロジーと匠の技術、感性が融合していました。製品の均一化、製造の効率化を図る意味で機械の自動化は有効ですし、一方で人間の感覚でしか分からない部分は、匠の技を存分に生かしてモノづくりをしている印象です」と感想を述べた。

「仕事柄、さまざまな業界の工場を見学させていただいたことがありますが、ここまでの規模でありながら、ここまで繊細なモノづくりをしていることに驚きました。プロをはじめ、アマチュアゴルファーの中にも熱狂的な本間ゴルフファンがいる理由が分かった気がします」

最新の製造技術を取り入れながら、熟練の職人によるクラフトマンシップを大切に守り、育んできた本間ゴルフ。酒田工場で培われた匠の技は次の世代へと受け継がれ、これからも伝統が息づく唯一無二のゴルフクラブを作り続けていく。

(撮影:落合隆仁)

青木源太 プロフィール
あおき・げんた/1983年生まれ、愛知県岡崎市出身。2006年にアナウンサーとして日本テレビに入社。情報・バラエティ番組への出演を中心に、ゴルフ中継などでスポーツ実況も担当。2020年に日本テレビを退社し、フリーアナウンサーとして再スタートを切った。ゴルフ歴は5年。平均スコアは100前後

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