勢ぞろい! 2021年春の最新シャフトを購入前提で徹底試打した(前編・フジクラ&ディアマナ)
連載企画「新製品レポート」で、ゴルフギア好きのアマチュア代表として試打をこなしているGDO編集部のミヤG。2019年に引き続き、ドライバーのさらなる飛距離や方向性アップを求め、2020年以降に発売した5社8モデルの最新シャフトを徹底試打します。最適なシャフトを見つけ出せたのか?
お気に入りの“エースシャフト”を超えるのは?
【ミヤG】
2019年に、この企画でいろんなシャフトを試打させてもらって、いちばん結果が良かったのが藤倉コンポジットの「スピーダー エボリューション 6」でした。今では僕のエースシャフトになっていて、すこぶるドライバーの調子がイイんです♪ けれど、最新シャフトだったら、もっといい結果が出せるんじゃないかと。そんな欲が出てきました(笑)。
【ツルさん】
ゴルファーって、欲深いものなんですよ(笑)。現状のクラブに不満はなくとも、より良いものを探して試すことは悪いことじゃありません。今回は、計8モデルの最新シャフトを用意しました。ミヤGには、自身のエースドライバーである「テーラーメイド M5」のヘッドを使って試打計測してもらいます。シャフトの重量帯は50グラム台、硬さはSです。私も同じシャフトの60グラム台、硬さSのシャフトを試打していきます。とても贅沢な企画ですよ。
【ミヤG】
アマチュア代表として、読者の皆さんの参考になるようにガンバります!!!
藤倉コンポジット「VENTUS BL」(ベンタス ブルー)
【ミヤG】
飛距離は出ていました! けれど、50グラム台の硬さSでも全体的に硬く感じました。棒っぽい印象のシャフトです。なんとなくスライスしそうだし、ラウンド終盤になると振り疲れてしまいそう……。もう少し球をつかまえる手助けをしてほしいです。
【ツルさん】
藤倉コンポジットの「VENTUS BL」は、切り返しで手元のしなりを感じやすく、先端側が動かないシャフト。独自のテクノロジーによって当たり負けしづらいのが長所で、どちらかというと引っ掛けのミスが出づらい。僕のエースシャフトなんですが、こういうタイプはミヤGには合わないですね。
藤倉コンポジット「スピーダー エボリューション 7」
【ミヤG】
僕がエースとして使っている「エボ 6」から持ち替えても違和感がありません。ドロー系の球筋になるのですが、フッカーの僕が打っても気にならない程度の球のつかまり感です。僕は、やっぱり「スピーダー エボ」シリーズと相性がいいのかも。飛距離もめちゃ出ています!!!
【ツルさん】
「スピーダー エボ」シリーズは、走り感を備えた奇数のモデルと、弾き感を備えた偶数のモデルが交互に登場しています。奇数モデルの「スピーダー エボリューション 7」は球をつかまえやすく、ボールスピードを高めてくれるモデル。手元側が硬過ぎず、切り返しのタイミングを取りやすいのも特長です。
藤倉コンポジット「スピーダー SLK Type-D」
【ミヤG】
他のシャフトよりも0.75インチ短いので、ヘッドスピードとボールスピードが落ちてしまいました。50グラム台だと全体的に軟らかく感じて、当てやすさもイマイチかな。このシャフトに限っては、60グラム台のほうが良かったかも知れません。
【ツルさん】
「スピーダー SLK Type-D」は、短尺化して使いやすく、なおかつ飛距離も出せるように開発された新モデル。従来の「SLK」よりもトルクが絞ってあって、しっかり振っても右へのミスが出づらいのが特長です。ワンフレックスの設定なので、重量帯選びが大切になってきます。
三菱ケミカル「ディアマナ D-LIMITED」
【ミヤG】
手元から全体的にしなる感じがします。弾道を確認すると球がつかまっているのですが、感覚としては先端が戻ってきていないような……。結果は悪くないけれど、自分のフィーリングと弾道が合わないので、どうもしっくりこないです。
【ツルさん】
「ディアマナ D-LIMITED」は、三菱ケミカル特有のハリ感や弾き感が備わっているシャフトです。シャフト全体の剛性感が高く、しならせることができれば、その分、鋭くしなり戻ってきます。オーソドックスな手元しなりのタイプかと思いきや、意外とはっきりと好みが分かれるモデルです。
三菱ケミカル「ディアマナ TB」
【ミヤG】
振っていて違和感がなく、なんとなく振りやすい。けれど、毎ショットで弾道が変わってしまって安定しません。肝心のミート率も落ちてしまいました……。このシャフトの50グラム台だと、僕には軽すぎるのかも知れないです。
【ツルさん】
「ディアマナ TB」は、中間部にしなりが感じられる典型的な中調子シャフト。誰にでも使いやすいタイプといえます。とはいえ、三菱ケミカル特有の弾き感があって、いつも通りに振ってもボール初速を高めてくれる性能が備わっています。飛ばせる中調子ですね。
ここまでの試打で最も良かったのは……
【ミヤG】
ここまでの5モデルのなかでは、「スピーダー エボリューション 7」がダントツに良かった。振りやすくて当てやすく、球のつかまり感もあって、なにより飛んでいました!!!
【ツルさん】
最新シャフトは、まだ3モデル残っています。次回は、グラファイトデザイン「ツアーAD HD」、USTマミヤ「ATTAS DAAAS」、日本シャフト「NSプロ レジオ フォーミュラ MB+」を試打してもらいます。今回の「スピーダー エボリューション 7」を超えるモデルが現れるのか、楽しみですね。
試打したシャフトのスペック
藤倉コンポジット VENTUS BL
●モデル:5、硬さ:S、重さ:59.0g、トルク:3.3、キックポイント:中元調子
藤倉コンポジット スピーダー エボリューション 7
●モデル:SPD569、硬さ:S、重さ:55.5g、トルク:4.8、キックポイント:先中調子
藤倉コンポジット スピーダー SLK Type-D
●モデル:50、硬さ:S、重さ:58.0g、トルク:3.8、キックポイント:中調子
三菱ケミカル ディアマナ D-LIMITED
●モデル:50、硬さ:S、重さ:57.5g、トルク:4.9、キックポイント:元調子
三菱ケミカル ディアマナ TB
●モデル:50、硬さ:S、重さ:56.5 g、トルク:5.0、キックポイント:中元調子
※スペックはすべてメーカー公表値
■ ミヤG プロフィール
1973年生まれ。ゴルフ歴20年。GDO編集部のシステム関連を担当。もともとはスライサーだったが、最近はドライバーもアイアンも強めのドローが持ち球。見た目がいい最新ギアが大好きで、現在はテーラーメイドのドライバーと、ミズノのフォージドアイアンを愛用中。ヘッドスピードは42~43m/sくらい。
■ ツルさん プロフィール
1974年生まれ。シングルの腕前を持ち、ギア関連の記事を多く手掛けるゴルフライター。メーカーの新製品発表会には必ず出向き、日々ゴルフの最新情報を収集している。生活すべてがゴルフ漬けだとか。ヘッドスピードは46m/sぐらい。持ち球は中・高弾道のドロー。
試打しまくりアマが最新シャフトを徹底比較 記事一覧
- 2021-02-10勢ぞろい! 2021年春の最新シャフトを購入前提で徹底試打した(後編・ツアーAD&アッタス&レジオ)
- 2021-02-03勢ぞろい! 2021年春の最新シャフトを購入前提で徹底試打した(前編・フジクラ&ディアマナ)
- 2019-10-16最適な1本で限界値に到達!? 試打しまくりアマが最新シャフトを徹底比較(3)
- 2019-10-09安定して飛ばせるモデルは!? 試打しまくりアマが最新シャフトを徹底比較(2)
- 2019-10-01飛距離アップ求めて、試打しまくりアマが最新シャフトを徹底比較(1)