新製品レポート

“技量通り”の球が出る嘘のつけないドライバー「パラダイム トリプルダイヤモンドS」

2023/07/31 07:00
「パラダイム トリプルダイヤモンド」と「―トリプルダイヤモンドS」を打ち比べ

今年2月に4機種展開で発売されたキャロウェイの「パラダイム」シリーズドライバー。6月からは「パラダイム TOUR」と「パラダイム トリプルダイヤモンドS」という、2つのツアーモデルが加わった。国内外のトップ選手が使用していたことから、マニアの中で話題となっていたモデル。今回は「パラダイム トリプルダイヤモンドS」について、既存モデルとの違いやヘッドの特徴をギア知識が豊富なミタさんが解説。そしてヨシダくん(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打してクラブの性能を評価する。

クラブの特徴は?

数量限定販売で即完売した注目モデル「トリプルダイヤモンドS ドライバー」を試打

【ミタさん】
今日紹介するのは、キャロウェイの公式サイトで即完売したというパラダイム トリプルダイヤモンドS ドライバー」です。

【ヨシダくん】
石川遼西村優菜上田桃子が使っていることもあり、ネットやSNSでも話題になっていましたね。

【シオさん】
2月に発売された「◆◆◆(トリプルダイヤモンド)」を使っている選手も多いですよね。違いはどこにあるんですか。

420ccの「◆◆◆S」(左)と450ccの「◆◆◆」(右)。コンパクトにして操作性を持たせたという

【ミタさん】
一番の違いはサイズ感です。「◆◆◆」は450ccでしたが、「―S」は420ccになっています

【ヨシダくん】
ツアーモデルでも、420ccは珍しいですね。

【シオさん】
小さいヘッドを使うメリットは何ですか?

【ミタさん】
ヘッドが小さくなると重心が浅くなって、重心距離も短くなるため操作性が良くなります。イメージした通りの弾道を打ちやすいというのが、ツアープロに好まれる要因だと思います。また浅重心にすることでスピン量を抑えられるので、ヘッドスピードの速い人が打っても吹け上がりによる飛距離ロスはありません

【ヨシダくん】
ソールに2つのウエイトがありますが、これは「◆◆◆」に搭載されているものと同じですか?

ソールウエイトは前4g、後ろ12gと浅めの重心設定。前後を入れ替えることも可能だ

【ミタさん】
2つとも同じ位置にありますが、重さが違います。従来モデルは前方が2g、後方が14gですが、「―S」は前方4g、後方12gになっており、さらに浅重心の設計です

【ヨシダくん】
ロースピン系だから飛びそうですね。ツアープロたちが惚れたヘッド性能を確かめてみましょう!

試打した印象は?

「◆◆◆」(左)と「◆◆◆S」(右)。「―S」の方が小ぶりでヘッド後方がスッキリした形状

【ヨシダくん】
まず、「顔」がいいですね。「◆◆◆」も顔が良かったけど、「―S」はヒール側がスッキリしていて、構えやすさ抜群です

【ミタさん】
タイプとしてはクラシックな洋梨型なので、ベテランゴルファーほど好きな形状だと思います。

【ヨシダくん】
僕もジュニア時代を含めると1990年代からゴルフをやっているので、全く違和感のない大きさです

【ミタさん】
打った印象はどうでしたか?

ヨシダくんもシオさんも見た目より扱いやすく球をつかまえられると好印象だった

【ヨシダくん】
「◆◆◆」も高初速でしたが、「―S」はさらにスピードが出ています。ボール初速というか、単純にヘッドが小さいのでヘッドスピードを出しやすい。その結果としてボール初速も上がったと思います。

【ミタさん】
空気抵抗は450ccより420ccの方が小さくなりますから、ヘッドスピードが上がるのは物理的にも間違いないと思います。

【ヨシダくん】
でも決してやさしくはないので、「このドライバーを使いたいなら、しっかり練習しろよ」というメッセージを感じました。ヒールヒットしたときは、はっきりと距離が落ちますね。

シオさんとヨシダくんの「パラダイム トリプルダイヤモンドS ドライバー」(10.5度)試打データ

【シオさん】
私も30年以上、ゴルフをやっているので420ccの顔は全く違和感がなかったです。むしろ、460ccの「パラダイム」や「―X」より構えやすかったです。

【ミタさん】
球筋も安定していましたね。

【シオさん】
ミスヒットにはシビアなのですが、操作性が良いので自分の感覚でインパクトを合わせやすかったです。バックスイングでフェースを開きすぎても、ダウンスイングで微調整できる感じがあります。

【ヨシダくん】
その感覚はすごくわかります。車で言えばオートマじゃなくてマニュアル。直進性が高いタイプのドライバーではなく、自分のフィーリングでドローやフェードを打ち分けやすい。ライナー系のボールも狙い通りの高さに打てました。芯を喰った時はフェアウェイをピンポイントでとらえてくれるイメージです。

【シオさん】
打感もすごくいい。弾き系ではなくて、くっつき感があってボールをつぶせるのが心地良かったです。ツアープロたちがこぞって使うのもうなずけます。

まとめ

小ぶりで操作性に優れたツアーモデル。ハードヒッターの上級者が高初速・低スピン性能を活かして飛ばせる性能だ

【ミタさん】
420ccで浅重心設計の「パラダイム トリプルダイヤモンドS」は、ゴルファーの技量がそのまま出るドライバーです。上級者であれば自分の思った通りの打球が打てますが、打点のズレが大きいアベレージゴルファーだと曲がり幅が大きくなります。スピン量も抑えられているため、ヘッドスピード45m/s以上のゴルファーじゃないと安定した高さが出せないと思います。パワーヒッターとの相性は抜群で、叩けば叩くほど飛距離が伸びてくれるモデルです

【ヨシダくん】
飛距離性能も高くて、操作性も良くて、何よりカッコイイ。今日の試打で購入検討リストに入りました!

■ 試打したクラブのスペック

キャロウェイ パラダイム トリプルダイヤモンドS ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:VENTUS TR BLACK 6 ●硬さ:S

パラダイム トリプルダイヤモンドS ドライバー

■ ミタさん プロフィール

1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

■ ヨシダくん プロフィール

1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

■ シオさん プロフィール

1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。

キャロウェイ
プレーヤーの意図に鋭く反応する 体積420ccの◆◆◆スモールモデル
発売日:2023/05/18 参考価格: 111,100円