驚きの完成度 顔、打感、飛距離の三拍子そろったタイトリスト「T150 アイアン」
タイトリストから新「Tシリーズ」アイアンが登場。多くのPGAツアー選手が前作から乗り換えたことが話題となっている。今回は「T100」「T150」「T200」「T350」の4機種から、過去作には無かった「T150 アイアン」について、ギアの知識が豊富なミタさんが特徴や性能を解説。マッスルバックユーザーのヨシダくん(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打して、ヘッド性能を探った。
クラブの特徴は?
【ミタさん】
今回ご紹介するのは、タイトリストの新「Tシリーズ」の中で一番人気の「T150 アイアン」です。
【ヨシダくん】
それは意外ですね。勝手に「T100」の方が人気かと思っていました。
【ミタさん】
発売から2週間の売り上げを調べたところ、「T150」が最も売れていました。
【シオさん】
そもそも前作には「T100S」というモデルがありましたが、今回「T150」という新モデルに変更したのはどういう意図なんですか?
【ミタさん】
2021年に登場した「T100S」は、前作の「T100」と同じ形状でロフトを2度立てています。今作では「T100」と比べてロフトを2度立てているのは同じですが、ソール幅を少し広くしてトップラインが厚くなりました。つまり、形状としては「T100」と「T200」の中間サイズなので、「T150」という名称になったのだと思います。
【ヨシダくん】
個人的には、タイトリストのアイアンはすでに完成されたクラブかと思っていたのですが、さらに進化する余地はあるのでしょうか?
【ミタさん】
今作はシリーズ全体のテーマが「FEEL」なので、とにかく打感にこだわっています。プロや競技ゴルファーにとっては、タテの距離感につながる大切な要素。だからこそ、タイトリストは打感にこだわったのでしょう。
【ヨシダくん】
どのようにして打感を良くしたんですか?
【ミタさん】
ヘッドの素材は「T100」と同じく、軟鉄を使用しています。また、バックフェース中央部にあるセントラルサポートバーの表面の溝「マッスルチャンネル」を前作よりもフェースに近くに配置したことで性能が進化し、フィーリングと打球音がクリアになっています。
【シオさん】
こだわりの詰まった打感がどれほどのものか、試打して検証しましょう!
試打した印象は?
【ヨシダくん】
第一印象としては、とてもかっこいいです。見た目のかっこ良さとやさしさを兼ね備えているのが「Tシリーズ」の魅力だと思うのですが、このモデルも決して難しいアイアンではありません。
【ミタさん】
「T100」と比べて約15ydくらい飛んでいましたね。打感はどうでしたか?
【ヨシダくん】
たしかに、打感は素晴らしい! 芯を喰ったときはもちろん、少し下側に当たった時も打感がいいことに驚きました。下側やトウ側に当たっても、ストレート軌道で曲がり幅が少ない。このアイアンに対して文句を言う人は少ないと思います。それくらい完成度が高いです。
【ミタさん】
今作は航空産業などで使用されている最先端技術を使用し、ヘッドに内蔵されているタングステンを溶接ではなくロウ付けしています。それにより、重心位置を精密に設計できたことが慣性モーメントアップにつながりました。見た目よりもミスヒットに強い性能になっています。シオさんはどうでしたか?
【シオさん】
たしかに難しくはありません。HS40m/sの私でも打てますし、打感はパーフェクト! 構えた印象も「T100」よりトップラインが厚くなった分、インパクトが分厚くなった感じがして、すごく心地良かったです。
【ミタさん】
前回試打した「T100」と今回の「T150」、2人が選ぶならどちらですか?
【シオさん】
飛距離はどちらも同じくらいでしたが、コースで使うことを考えると、安定して飛ばせる「T150」の方が安心感があります。
【ヨシダくん】
僕もミスに強い「T150」をコースで使ってみたいなと思いました。
まとめ
【ミタさん】
HS50m/sのヨシダくんだけでなく、HS40m/sのシオさんが打っても評価が高い「T150 アイアン」。シャープな見た目以上にターゲット層が広いアイアンです。2人の評価を見てみると、全項目が4点以上になっていて、構えやすい顔、打感の良さ、飛距離性能の高さというアイアンに求める三拍子がそろっています。前作で「T100S」を使っていた人はもちろん、「T200」を使っていた人にもハマる可能性が高いです。
【シオさん】
長年のタイトリストユーザーであれば、昔の「AP2」を使っていた人にもオススメです。
■ 試打したクラブのスペック
タイトリスト T150 アイアン
●番手(ロフト角):7番(32度) ●シャフト:N.S.プロ モーダス3 ツアー105 ●硬さ:S
■ ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。
■ ヨシダくん プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。
■ シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。