日本シャフト特集
2022/12/15

ゴルフ中心から解放されたプライベート 一時代を築いたカリー・ウェブのいま

連載:“こだわりの人”に聞くライフスタイル&仕事術
女子ゴルフ界で輝かしい実績を誇るカリー・ウェブ。ツアー中心から一変した日常について語る(撮影:落合隆仁)

競争の激しいプロゴルフの世界で、長期に渡り最高峰の舞台で活躍し続けるのは並大抵なことではない。技術を磨き、日々のトレーニングで体を作り、食事にも自ら制限を加える。米女子ツアーにおいて、初優勝した1995年から20年間で通算41勝。3度の賞金女王に輝き、メジャー通算7勝の実績を誇るカリー・ウェブは、長くそんな生活を続けてきた。

第一線を退いたことで、ライフスタイルはどのように変わったのか? 女子ゴルフ界のレジェンドが、現在の日常と今後の活動について明かした。

ツアー転戦から離れて変わったこと

現在のウェブがトーナメントでプレーするのは年に数試合。47歳で迎えた米ツアーの2022年シーズンは3試合の出場にとどめるなど、毎週ツアーで戦っていた当時と比べて生活サイクルは大きく変わった。

米女子ツアーへの出場は2018年から10試合に満たないシーズンが続く(撮影:清水健)

「ゴルフに取り組んでいたころは規則正しい生活を送っていましたが、今は何も決めていません。健康を維持するためにトレーニングをしたり、食事にも気を使ってはいますが、週に何回やらなければいけないとか、これを食べてはいけないというものはありません。何も決めないことが今のこだわりかもしれませんね」。一日を有効に使うため、起床は午前7時から7時半の間。8時間睡眠を心掛けてはいるものの、これも絶対ではないという。

何ごとにも制約を作らない

オーストラリア北東部の沿岸近くにある町で生まれ育ったウェブは、自ら船を所有するほどの釣り好きでもある。時間ができたことで、さぞかし趣味を楽しんでいるのかと思いきや「現役時代とあまり変わりません。ツアーを転戦していると“今日ここで行かなくちゃ”と思うのですが、いつでも行けるとなると、意外に行かないものですね」と笑う。忙しいときの方が無性にゴルフに行きたくなる。そんな一般アマチュアゴルファーの感覚と似ているのかもしれない。

余暇ができたら試みたいことはあったが、今はこちらも停滞が続いている。「ゴルファーとしてずっと外にいたので、室内でできる趣味として絵を習いたいと思っていました。でも、私は本当に絵が下手なので、習っても上手にならないんじゃないかと、いまだに始められていません」

プライベートの時間とゆっくり向き合っていく(撮影:清水健)

生活にあまりルールを設けないことと同じように、釣りに行く日も、絵画を始める時期も決めてはいない。「これまでは自ら望んでゴルフ中心、ゴルフに集中する生活を送っていました。その分、今は先のことを決めたり、制約を作ることはしたくないんです。何かを始めるタイミングは、自然と来るのかなと思っています」。その言葉からは、現役時代は厳しく自分を律していたこと、現在は反対に自然体でリラックスした暮らしを楽しんでいることが伝わってくる。

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