日本シャフトで結ばれたカリー・ウェブと藤田さいきの今とこれから

■日本も視野にコース設計や改修に取り組むウェブ

対するウェブは年間の出場を5試合以下と決め、ツアーから離れた時間を大切にしている。「ツアーにフル参戦していたころは家族や友人と過ごす時間など、すべてを犠牲にしてゴルフ中心の生活をしていましたが、今は生活の中の一部にゴルフがあるという状態です」

ツアーを離れたことで趣味を楽しむ余裕もできた。「今年、ボートを売ってしまったので機会は減っているのですが釣りを楽しんでいます。新しいボートを買うかは検討中ですね。昨年のインタビューで絵を習いたいと話したのですが、それは今も同じで、まだ始められてはいません」

そんななかで意欲的に取り組むのがコースの設計や改修。日本での活動も視野に入れている。

「日本のコースには欧米にはない特徴があります。例えば、フェアウエーの真ん中に木があったりするでしょう。プレーヤーとしては邪魔だったけど、戦略性を高めるための日本流のやり方だと思います。そういった部分も生かしながらコース改修に取り組んでみたいですね」

世界中のコースでプレーしてきたウェブの視点で、やや古くなった日本のコースを「リスペクト」しつつ、再構築するつもりでいる。

■日本シャフトへの思い

現時点で2人のゴルフとの距離感には違いがある一方、共通しているのは日本シャフトの契約選手だということ。

現役の藤田であれば、プレーを通じて性能の高さを世間にアピールすることができる。一方のウェブは自身の役割を「メッセージを伝えるアンバサダー」ととらえている。

そして、これがウェブからのメッセージ。

「シャフトは主にヘッドスピードを基準に、自分に合ったものを選ぶことが大切です。私も1WのシャフトをSからRにしたときは衰えを認めたくないという思いがありましたが、結果を見て納得しました。日本シャフトには何歳でもどんなレベルでも使えるシャフトがたくさんあります。性別を問わず、ジュニアでもトップでも、年齢が上がっても自分に合ったシャフトを選ぶことができます。それが日本シャフトの良さだと思います」

一般のアマチュアゴルファーと同様にちょっとハードなシャフトを使いたくなるとは驚きであると同時に親近感もわく。現役のスーパースターではなく、ゴルフとの適度の距離感を見つけたウェブの言葉は、多くのゴルファーの胸にもスッと届くのではないだろうか。

協力・上総モナークカントリークラブ（千葉県君津市柳城856-2）