「ドライバーの賞味期限は?」10年前のモデルでも飛ぶのか ギアマニア考
【新連載】パットの型は2つ 「センター軸or左肩軸」 あなたは?/オグさんのPUTTER偏愛日記 #1
2024/11/15
知れば知るほど面白いパターの世界
皆様こんにちは。クラブフィッターの小倉勇人です。私はゴルフクラブの中でパターが一番好きでして、これまで100本を超えるパターを購入してきました。飛距離に乏しい自分が長所を作るにはパターしかないと思い、独学で勉強するうちにパターの面白さに気付き、今でも研究する毎日です。
腕前問わずスコアの40%くらいを占めるパットですが、ショット練習ほどには時間を割いている人が少ないですよね。
パターにはどこか地味なイメージがあると思いますが、知れば知るほど面白い世界です。ただボールを転がすだけではありますが、クラブによる違い、ストロークスタイル、ラインの読み方など非常に奥深い。そのディープな部分をじっくり伝えていければと思っています。
本連載では、パターの試打レビューをメインテーマに据えていきます。それに先立って、私が考えるパターの選び方をまずは説明したいと思います。なぜなら、パター選びは打ち方やそのゴルファーの特性とのマッチングがとても重要だからです。私はティーチングプロではありませんが、クラブフィッターとして様々なスイング理論を勉強しています。パッティングもそのひとつで、どういったパターがどんなタイプのゴルファーに合うのかを、私なりの解釈で説明します。
【チェックポイント-1】ボール位置
パッティングの重要なポイントのひとつにボール位置があります。ボール位置は、目標に対しての正確なアライメントや再現性の高いストロークにつながる大変重要な要素。構えやすい位置を自分で把握しておくと調子が悪くなった時に確認できるので、是非チェックしておきましょう。
ボール位置は、気持ちよく構えられるポイントがゴルファーそれぞれで異なります。細かな差異はありますが、大まかには「体の中心に置きたいタイプ」と「やや左足寄りに置きたいタイプ」の2つに分かれます。プレーヤーの利き目や打ち方のスタイルによってボール位置は異なり、それによってマッチするパターも変わります。
私を例にしますと、利き目は左で、左目の真下にフェースがくるようにしたいので、ボール位置は体の中心からボール1個ほど左寄りです。そのボール位置に対して、フェースがシャフト軸線から後方に下がっていない、いわゆるオフセットが少ないモデルの方がまっすぐ構えやすい。具体的なモデルでいえば、センターシャフトのようなパターです。
【チェックポイント-2】 ストロークタイプ
ここでいうストロークタイプとは、体のどこを軸としてパターを動かすか。体の中心を軸に動かす「センター軸」と、左肩付近を軸に動かす「左肩軸」に分けられます。ストローク時に体のどこを意識するかで違いが出やすいのですが、特に意識していないゴルファーは、使用しているパターや他のクラブのスイングに影響を受けているケースがあります。
ストロークタイプの確認方法はいたって簡単。自分のストロークを動画に撮って、グリップエンドや両肩の動き方などに注目します。両肩が均等に、もしくはグリップエンドがアドレス位置から線対称に動くならセンター軸です。
左肩がわずかに大きく動いたり、グリップエンドが線対称ではなくスライドしながら動くなら左肩軸です。ストローク中に下半身や頭が動いてしまうと判断が難しいので、下半身や頭を動かさないように意識してストロークを行い、動画で確認してみてください。もし動画を撮ってみて判断できない場合は両方を意識的にやってみて、スムーズに動く方を選択しましょう。
<センター軸>
センター軸は、アドレスの位置からグリップエンドがほぼ線対称、かつ扇状に動きます。両肩の動きは均等です。
センター軸は基本的にどんなパターとも好相性。ヘッドの重みを感じながらパターを吊って構えるプレーヤーには最適です。クラブ重量が重めでゆったりストロークしやすい深重心のネオマレットタイプや、フェースの向きが変わりづらいフェースバランスのパターとの相性が特に良いです。
<左肩軸>
対する左肩軸は、ストローク中のグリップエンドがフォローでわずかに浮き上がるように動き、スライドする幅も大きめ。左肩の上下動がわずかに大きいのも特徴です。
左肩軸は、左肩の動きがやや大きいのが大きな特徴。ストローク中のグリップエンドの動きが線対称ではなく、センター軸よりもスライド量が大きいです。
左肩軸でわかりやすいのが、アームロック式のパターです。左手前腕にグリップを密着させ、左肩を軸にストロークするパターですが、これと同じ動きを通常のモデルで行います。マッチするパターは、ハンドファーストで構えやすいクランクネックのモデルなどです。
「握り方」との関係はある?
握り方にもパターとの相性があります。ストロークタイプ、握り方、そしてパターの特性がうまくマッチし、目標にスムーズにストロークできる組み合わせを見つけ出すことが、パット数を減らす1つのカギだと断言できます。
順手、クロスハンド、クローグリップなど、パットのグリップはいくつかありますが、積極的にいろいろ試してみるのがいいと思います。
自分はどっち?近い方でOKです
昔から「パットに形無し」と言われるぐらい、色々な考え方や打ち方があります。今回紹介したストロークタイプやボール位置などは、あくまで私がそのプレーヤーにマッチするパターを提案するためのものであって、これがすべての正解というわけではありません。
私がこの分類スタイルを採るに至ったのは、ツアープロや上級者などパットの巧いゴルファーを観察し、それぞれの特徴をエンジョイゴルファーに分かりやすく落としこむために色々と試行錯誤した結果です。自分のスタイルが決まっているなら無理やり合わす必要はありませんし、ストロークタイプも自分に近い方、「どちらかといえばこっちかな?」くらいでOKです。パターの特徴をできるだけ具体的に伝えたい、どんなタイプのストロークに合うのかを分かりやすく伝えたい、そう考えた上での分類と理解してください。
次回からこの分け方に沿ってパターのレビューをお届けします。
取材協力:ARGOLF JAPAN
写真:小林司
小倉勇人(おぐら・はやと) プロフィール
ゴルフショップ「ゴルフフィールズ ユニオン」店長。クラフトマン、クラブフィッター、さらに雑誌やウェブ記事の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。
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