マーク金井の試打インプレッション

テーラーメイド バーナー スーパーファスト TP ドライバー

2010/08/24 10:00

打ってみると?

試打クラブはロフト9.5度。シャフトは純正の「FUBUKI TP63」のS。9.5度表示でリアルロフトが10度。フェースアングルは-1.75度。アドレスするとフェースがほんの少し開いてみえる。

シャフトはアスリートゴルファーを強く意識しているようで硬い。ワッグルすると手元側は全然しならず、中間部分から先端部分にかけてわずかにしなる。振動数は261cpm。クラブ重量は314.1g。ノーマルが287.1gなのに比べると27gも重い。バランスはD3.5。長さは実測で45インチ。ヘッドの投影面積が大きいこともあって、実際よりも短く感じる。

アイアンで入念にウオームアップ後、「バーナースーパーファストTP」に持ち替えて打ってみると・・・「パシューン」と心地良い金属音とともに、ボールが勢い良く飛び出す。フェース面の大きさを上手く生かし、ルール適合ながら弾きが非常に良い。

ヘッドスピードを46~47m/sで弾道計測してみると、ボール初速も出ていて、スピンも少なめ。フェース中央よりもほんの少し上でとらえると打ち出し角が14度前後で、スピン量が2100~2500回転。ラフからフライヤーを打った時のような「棒球」がオートマチックに打てる。ノーマル同様、ディープフェース効果で有効打点距離(スイートスポットからフェース上端までの距離)が長そうだ。

球筋的には、真っ直ぐ打ってストレートから軽いフェード弾道。重心距離が長いヘッドだが、重心が深いのが影響しているんだろう。前回試打した、「R9 スーパーディープTP」に比べるとヘッドが左にターンする挙動は手に伝わってくる。ただし、重心距離が長いのでヘッドが返るタイミングはゆっくり。インサイドから下ろすとドローが打てるが、スライサーがドローを打てるほどヘッドは返らない。また、フェースを開いてアウトサイド・イン軌道で下ろすと、ボールは全然つかまらない。

球筋の打ち分けに関しては、ノーマルに比べると操作性が高い。ただし、重心距離が長いので曲げ幅の微調整は難しい。大きく球を曲げることよりも、左右の曲がりを抑えやすく仕上がっている。

シャフトはノーマルのバーナースーパーファストに比べると、かなりハード。「FUBUKI TP63」、切り返しで中間部分が少ししなるだけ。そして、しなり戻りのスピードはややスロー。ゆったり振るとヘッドが走ってくれない反面、叩いてもシャフトの挙動が安定している。シャフトでヘッドスピードを上げたい人よりも、自分のパワーを出し切って飛距離を出したい人と相性が良いシャフト。また、叩いても左に行きづらい。ハードヒッターにやさしい仕上がりだ。

ノーマルに比べると、「TP」は自分のパワーを出し切って飛距離を稼げるドライバー。重心距離が長く、ヘッドのターンがゆっくりなのでアウトサイド・イン軌道のスライサー向きではないが、ノーマル同様、飛び指数はかなりのモノ。ヘッドをインサイドから下ろせる人、そしてパワーがあるフッカーにとっては、叩いて飛距離を稼げるドライバーだ。

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