ミズノ JPX800 ドライバー
打ってみると?
試打クラブはロフト10.5度。シャフトは純正のS(MD-100)。フェースアングルはフック4度強。見た目通り強めのフックフェースで、アドレスするとフェースは目標よりも左を向く。そしてフックフェースの影響が強いためにリアルロフトは14.25度。個体差があるとはいえ、ドライバーというよりは3Wに近いロフトになっている。
シャフトは軟らかめの設定。ワッグルすると中間部分しなる。振動数は243cpm。長さは表示46.5インチ、実測46.25インチ。クラブ重量は313.8gでシャフト重量が56g。バランスはD1。バランスが軽めなのは手元側の重量が重いことと、ヘッド重量が軽いからだろう。
シャフトの硬さに合せて軽めに打ってみると・・・スパーンと弾き感のいい音とともにボールが高く舞い上がる。音は中音。鍛造フェースならではの心地良い手応えとともに、ストレート弾道。フックフェースが強い割には捕まり過ぎない。見た目よりはスライサー向けではなく、真っ直ぐ打てば、真っ直ぐ飛ぶタイプだ。
弾道計測してみると、打ち出し角は16~18度と高い。リアルロフトが多さと、長尺効果でヘッドがアッパーに動きやすい分だけ球が高くなる。パワーヒッターには上がり過ぎる怖さがあるが、ヘッドスピードが遅めの人には、やさしく高弾道が打てる。フェース中央付近で打つとスピン量は2700~3000回転。スイートスポット位置は高すぎず、低すぎず。わざと厚めに捕えると(フェース上側)、スピン量は2400~2600回転前後になって、放物線で飛ぶ弾道になった。
試打して強く感じたのが、シャフト手元側の重量感。手元側を重くするとカウンターバランス効果が働き、振り抜きやすくなる。JPXもそうで、46.5インチあっても気にならない。長尺が得意はもとより、長尺だとタイミングが取りづらい人にも振り切りやすく仕上がっている。
反面、少し気になったのがヘッドの軽さ。軽いヘッドは振り切りやすいメリットがあるが、ヘッドスピードを上げていくと当たり負け感が出てくる。JPXも気合いを入れて叩くほど、ヘッドが当たり負けした感じが手に伝わってきた。純正S(MD-100)は中間から先端が部分が軟らかめの設定で粘り系。手元がしっかりしており、切り返しで中間部分が大きくしなる。シャフトがしなり戻るタイミングはややスロー。タイミングが取りやすく仕上がっている。
フックフェースだが弾道は極めてニュートラル。視覚的にはスライサー向けだが、捕まり過ぎるドライバーではない。直進性がいいので、スライサーだけでなく、フックフェースが気にならないならフッカーとも相性がいい。そして、長尺なのに長尺と感じさせないセッティングはお見事だ。